緑の鬼との激闘 4
「はぁ…はぁ…くっ!はぁ…はぁ…」
あれからまた少し経って、障壁の外のゴブリンたちもだいぶ減ってきた。
ほとんど限界に近いが、ギリギリなんとかなりそうだ。
「このままいけば全員倒せる……あ、そういえば__」
キングゴブリンの周りにいたゴブリンメイジたちはどこにいたっけ…?
まさか、レオン殿下の魔法に巻き込まれてすでにやられている…?
いや、あの狡猾な魔物に限ってそれはない。
なら、いったいどこに行った__
ボゴッ!
そのとき、障壁の内側の地面が不自然に盛り上がる。
ボゴッ!ボゴボゴッ!
いたるところの地面がどんどん盛り上がる。
「え、いったい何が__」
ボゴォッ!
ギャーッ!ギャーッ!
なんと、盛り上がった地面から次々にゴブリンたちが飛び出てきた。
その中には、赤色、藍色、緑色、黄土色のローブを着たゴブリンメイジも混ざっている。
「まさか、地面の中を通ってきたのですか…?」
ウィンド・バリアもさすがに地面の中にまでは障壁を張っていない。
おそらく、土魔法を使って地面を掘って、障壁の内側に繋げたのだろう。
「仲間を犠牲にして時間稼ぎをしている間に穴を開けるなんて…」
しかも、長時間障壁を張り続けたおかげで魔力ももうない。
いっそのこと、もっと早く地面から出てきていれば、まだ魔力に余裕もあったのに…
……いや、待てよ…もしかしてそれすらも作戦の内なのか?
確か、時間をかけて楽しめ的な事をキングゴブリンは言っていた。
だから、わざと私の魔力が無くなるまで待ってた?
魔力が無くなり、抵抗できなくなったところをいたぶるため…?
それに気づいた瞬間、急に膝が震えだした。
まんまと踊らされていた事実に、恐怖が襲いかかってくる。
どんどん視界が暗くなって、呼吸もさらに荒くなっていく。
「ヴィサス嬢!気をしっかり持て!」
そのとき、急に両肩を揺さぶられ、さらに声が聞こえてきた。
失いかけていた意識が声と振動に引っ張られて、徐々にはっきりしてくる。
「……れ、レオン…殿下…?」
「ああ、そうだ!自分のことはわかるか!?」
「は、はい…わかります…」
「それは重畳。俺がヘイトを集めながらできるだけ暴れてくるから、ヴィサス嬢はフォローを頼みたい。できるか?」
「はい…それくらいなら……」
「よかった!なら任せたぞ!」
そう言って、颯爽と駆けていくレオン殿下。
レオン殿下はまだ諦めていない。
むしろ、この状況で勝つ気ですらいる。
そんなの見せられて、私もまだまだ諦めるわけにはいかない…!
私は再び力を振り絞り、魔力を集中する。




