表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
幕間 16
465/482

スターシは耐え忍ぶ 15

「な、何故ですか!?過去にもやったことですよ!?何故無理なんですか!?」



実にあっさりと【無理】と言われ、納得が出来ずルミナスに詰め寄る。



「いや、私だって意地悪で言ってるわけじゃないよー?単純に()()()()()()()からさー。昔は魔力をいっぱい持ってる人が何人もいたからみんなで協力して出来たけど、今はどうー?」


「うっ…それは……」



今のマーシャス王国に、過去ほどの力はない。


あの当時は、特に魔力が多い魔族何十人に協力してもらい、それで何とか魔力を用意してさらに時空の聖女の力も借りてやっと城一つを転移させることが出来た。


それが今や当時の魔族たちは年老いてしまい、若者世代は長い平和の影響で魔力があまり多くない。


当時と比べると魔力の総量は六割ほどにまで減少している。

とてもじゃないが、大規模な転移魔法を使うには魔力が足りないのだ。



「な、なら一体どうすれば…不死者(アンデッド)はもうすぐ来るというのに……」



(わたくし)の魔力ももう尽きる。

そうすれば、結界は解け不死者(アンデッド)たちがこの城になだれ込んでくるだろう。


そうなれば(わたくし)も、国民も、全てが終わってしまう。



「……っ!あ…………」



……今、結界が破られた感覚がした。


今はまだ小さな穴程度のようだが、それを不死者(アンデッド)たちが体を差し込んで無理矢理広げているのが分かる。


もはや、一刻の猶予もない。


……万事休すか…



「おや?その顔は結界が破られたって顔だねー」


「この…っ!他人事だと思って…っ!」


「まだ手はあるよ」


「……え?」



ルミナスのあまりの言い草に怒りがこみ上げ、思わず詰め寄ろうとしたそのとき、ルミナスが(わたくし)の言葉を(さえぎ)るように被せる。



……まだ、手はある…?



「……それは本当ですか…?」


「もちろん。私だってあの御方の残滓は惜しいし、それを手に入れるためならなんだってするよ。そして、今この状況で出来ることは一つ」


「そ、それは…?」


()()()()()()()()()()()()()()。でしょ?」


「た、倒す…ですか…?」


「そう。一匹残らず、ね」


なんと、ルミナスはあの不死者(アンデッド)の大群を倒すと言い切ったのだ。



「む、無茶です!今の(わたくし)たちには不死者(アンデッド)に有効な攻撃手段を持っていません!普通に攻撃したところで、すぐに再生してしまいます…!」



不死者(アンデッド)にはその特性上、圧倒的な耐久力と再生力が備わっている。


生半可な攻撃じゃたちまち再生してしまう。



「そこで私の出番ってわけー。貸すのにはちょーーっと抵抗あるけどー、その後に報酬があると思えば、まあギリ耐えられるからねー」



そう言って、お腹に付いている大きなポケットの中に手を、パーカーの袖口から出さないまま突っ込む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ