追撃隊 竜の巣を攻略する 9
「や、やややヤバいじゃん!それならどうするの!?」
「引き返す…しかないでしょう。せっかく見つけた出口ですが、そのような状況の中通れる訳がありません。残念ですが、他の道を探しましょう」
最悪のパターンではあったが、取り返しがつかない訳では無い。
そのメタルアントの群れの戦闘に巻き込まれる前に気づけたのだから、このまま引き返せばいいだけなのだ。
こうなってくると、いかにハルカ様の存在が私たちにとって生命線になっているのかがハッキリと分かる。
私も、探知の魔法をもう少し練習しようかな……
「このまま真っすぐ進んだら例の出口にしか繋がっていないので引き返すしかありません。先ほどの分かれ道まで戻ってもう一つの方に行けば……あ」
「え……あ、って何よ。あ、って」
そのとき、ハルカ様から不穏な声が聞こえる。
それに反応してイーリスが不安そうな声を上げる。
「……いえ、少々厄介なことになりました。メタルアントの一匹が、先ほどの分かれ道から私たちがいる通路の方に入ってきました…しかもものすごい速度でこちらに向かってきているようです…!」
「なるほど…この先の群れの戦闘に参加するつもりなのでしょうね…その途中に運悪く私たちがいる、という訳ですか…」
「避けようにもここは一本道。しかも後ろは例の出口で巨大な群れが戦闘している真っ最中です」
「……仕方ありません。この一匹だけはなんとか撃退しましょう。一匹だけなら、今の私たちでもなんとか対処できるはずです。他のメタルアントに気づかれる前に速やかに、そして静かに終わらせましょう」
「「「了解」」」
私の指示にイーリス、ハルカ様、ショーディ様が声を揃えて返事をした。
そして、場の空気が一気に張り詰めていく。
「ハルカ様。メタルアントが遭遇する瞬間にカウントをお願いします。そして、遭遇した瞬間に私がメタルアントの足を止めますので、イーリスとショーディ様が二人でメタルアントにとどめを刺してください」
「分かりました…!」
「任せときなさい!」
「おう!いつでもいいぜ!」
よし、作戦は決まった。
後は上手くいくのを祈るだけ。
そして、その瞬間はすぐに訪れた。
「…………カウントいきます。3…2…1…今ですっ!」
「__フリーズ」
__ッ!?
通路の奥からすごい勢いで現れたメタルアントの姿が見えた瞬間、私の魔法が発動し脚が凍りつく。
メタルアントは急に脚が動かなくなり、何が起きたのか分からずその場でじたばたし始めた。
「行くわ!」
「ぶっ潰れろっ!」
脚が凍りつき、身動きが出来なくなったメタルアントを左右から挟みうちするように同時に攻撃を仕掛ける。
ギ……ギギギ…ギ………
二人の無属性魔法による身体強化がすごいのか、みるみる内に鉄で出来ているはずのメタルアントの身体がボコボコに凹んでいく。
「よしっ!」
「これで終わりだっ!」
とどめとばかりに拳を振り上げる二人。
タタタタタタッ!
勝ちを確信した。正にそんなタイミングで二人の間を駆け抜けていく影が一つあった。




