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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 23
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追撃隊 アホな鳥と出会う 7

「うん!あ、その代わり、コケの質問に答えてほしいんだけど、いいー?」


「あ、はい。何でしょう?」


「アンタたちからご主人様の気配がするんだけど、ご主人様がどこに行ったのか知ってる?」


「え?ご主人様…ですか?」



ご主人様と言えば、恐らく名付け親のことだろうが…最近魔物に名前をつけそうな人と関わりましたっけ?



「その…心当たりがないのですが、そのご主人様のお名前は分かりますか?」


「んぅ?名前……忘れちゃった!」


「忘れちゃいましたかぁ……」



屈託(くったく)のない笑顔でそう発言する美少女(コカトリス)は確かに可愛いのだが、名前が分からないのでは関わりがあったかどうかも分からない。



「うーん…何かそのご主人様の特徴とかありますか?こう、毎日こんなことしてて、こういう方だよー、みたいな」


「んぅ?確かー…毎日森の中を散歩してて…たまにゴブリンたちのところに行って殴り合い?みたいなことしてたりー……」



……おや、そのご主人様はだいぶアグレッシブな方のようで…

ってん…?ゴブリンと殴り合い…?



「えーっとー……あ!そういえばある国から逃げてきたって言ってたよ!元々はそこの国のお嬢様だったらしいけど、悪いことしちゃったから逃げちゃったんだって!」


「あ…あ…」



アウトー!


どう考えてもご主人様は私の親友一択のようですね。


ゴブリンと殴り合いをして、とある国から逃げ出したとあれば一人しかいません。


よもや魔物に、しかもコカトリスに名付けをするとは……我が親友は一体何をしているのやら……



「…どうやら、貴方のご主人様が誰か分かりましたよ」


「おぉ!本当!?それは良かった!それで、ご主人様はどこか分かる?」


「はい。貴方のご主人様はこの山の向こうですね」



そう言って、私は【竜の巣】の方を指差す。


美少女(コカトリス)は、私の指先を追って【竜の巣】を見上げた。



「……うへぇー…この向こうなの?確かに、気配がここから一気に薄くなるし、やっぱり越えるしかないよねー?」



一瞬嫌そうな顔になるが、すぐに気を取り直すとそんなことを言い出す。



「え?この山の越え方が分かるのですか?」


「んぅ?分かるよ!ご主人様の気配を追っていけば何となく!気配も薄くなっただけで全く無くなった訳じゃないし、これならまだ追えるよ!」



なんと、この美少女(コカトリス)は【竜の巣】の越え方が分かる模様。


その話を聞いて、私はあることを思いついた。

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