初めて来た懐かしい場所 10
「……いいだろう。ちなみに、その新たな魔王?とやらがいる場所は分かるか?」
「え…い、いいんですか!?ありがとうございます!場所は分かりますよ!確か__」
妾の返事にスターシは涙を流しながら喜ぶ。
自身の国と民が救われると分かったのだ。
その喜びもひとしおなのだろう。
そして、そのまま嬉々として妾に新たな魔王がいるという場所を教えてくれる。
「__なるほど、分かった」
「はい!あ、ちなみに場所をお知りになってどうなされるのですか?」
嬉々として語ったのはいいが、それで何をするのかと思いあたり、妾に聞いてくるスターシ。
「ん?決まっておるだろう。エレクトー__」
「ああぁぁぁぁっ!!ちょちょちょちょっと待ってくださいぃぃぃっ!!」
「うわっ、ど、どうしたんだ?いきなり」
何故か急に妾の動きを止めるスターシ。
せっかく妾がまとめて吹き飛ばしてやろうと思ったのに。
「……今、何をしようとされていましたか?」
「何を?そんなもの、後顧の憂いを断つべく、新たな魔王を木っ端微塵に__」
「やり過ぎですっ!!私知ってますから!その魔法は規模が大きすぎますからっ!」
「お、おお…そうか、それはすまなかった…」
先ほどまで何があろうとも妾に対して敬意を忘れることがなかったスターシが、こんなに声を荒げて妾に突っ込みを入れるとは……少々驚きである。
『アハハハッ!まさか私が今すぐ滅ぼしたらいいというのを真に受けてそんな大魔法を撃とうとするなんて…!さすがに脳筋が過ぎます…!』
プププッ!と内側でメアリーが笑い転げているのを感じる。
おのれ…脳筋などとは失礼な…!
「__ゴホンッ、大変失礼致しました…」
そのとき、多少は落ち着いたのか、心苦しそうに謝罪するスターシ。
「申し訳ありません…新たな魔王がいる地点は周囲に大規模な農耕地帯があり、そこが巻き込まれてしまうと魔族全体に大きな被害が出てしまう恐れがありまして……それにここで地形が変わるほどのことが起きてしまうと、人間たちが調査のために来てしまうリスクもありますし……」
申し訳なさそうに妾を止めた理由をいくつか説明してくれるスターシ。
なるほど。
とにかく、周囲を巻き込むような大規模な魔法は止めたほうが良いと、そういうことのようだ。
「なるほど…妾は少々早まってしまったようだな。ならば、対策はまた考えるとしよう」
「寛大なお言葉、ありがとうございます」
「うむ。それで何だが……ちょっと聞きたいことがあるのだ」
「はい、なんでしょう?」
妾の急な質問に、スターシはキョトンとした表情で首をかしげる。
ここまで来てやはり聞くべきか、それとも聞かないべきか少し迷ったが、意を決して妾は話を続けた。
「……過去に妾がいなくなってからどうなったのか、いろいろ話を聞かせてほしい」




