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絶対に許しません 絶対です 12

「……ここは、誘いに乗るべきだろうな…次はどうなるかわからんし…」



レオン殿下の言う通り、ここで誘いに乗らずここに残れば先程のように気配を消して近づき、次こそは不意打ちを仕掛けてくるかもしれない。


そうなれば、私一人ならよくても、お二人を同時に守れる自信が私にはなかった。


誘いに乗るのは危険だが、ここに残るのも同じくらい危険だ。


それなら、不意打ちされる不確実性よりも、誘いに乗り堂々と正面から打ち破るほうが勝率も高いと思う。



「無理に誘いに乗らなくても、助けが来るのを待ったほうがよいのでは?」


「いや、ヴィサス嬢。相手もそれはわかっているだろうから、その前に行動を起こされる可能性が高い。助けは期待できないだろう」



魔物の本能を抑え、理性的に誘いをかける事ができる相手なのだから、私たちが助けを呼んでいることもわかっているはずだ。


助けが間に合うと期待しないほうがいいだろう。



「なるほど…それなら奥に行くほうがまだいい、ということですね」


「そういうことだ。メアリー嬢もそれでいいか?」


「私は大丈夫です。ただ、私から遠くには行かないようにしてください。遠すぎると守れなくなるので」


「ははっ、さっきといい今といい、メアリー嬢は頼もしいな。それに比べて、俺はなんと情けない」



少し自虐的になっているのか、ネガティブな発言をするレオン殿下。



「なにをおっしゃるのですか。王族であるレオン殿下がこの国の民を守り、私たち臣下がレオン殿下お守りする。それは当然のことです。お互いがお互いを守り、尊重してきたからこの国は発展できたのです。」


「そうですよ!普段は私たちが守ってもらっているのですから、今度は私たちが命をかけてもレオン殿下をお守りします!」



弱気なレオン殿下に、それぞれ思い思いの言葉をかける。



「…ありがとう。その信頼に応えられるよう、これからも精進する」


「はい!よろしくお願いしますね!」



少しは元気が出たみたいでよかった。


ヴィサス様も、笑顔で応えている。

やっぱり可愛いな!クソ!



「それでは、先頭は私が行きます。くれぐれも私から離れないようにお願いしますね」



レオン殿下とヴィサス様、二人は私の言葉に頷き先頭を歩く私についてきた。

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