絶対に許しません 絶対です 11
「…レオン殿下?どうしまし……あ…」
なんと、よく見たらレオン殿下の右手が私の左胸を鷲掴みにしている。
さっきまで他のことに気を取られてて全く気づかなかった。
……それにしても、いつまで掴んでいるんだろう?
もみ…もみ…もみもみもみもみ__
というか、ガッツリ揉んでないか?
「…あの、レオン殿下?いつまで私の胸をお揉みに?」
「え……あ、ああ!すまん!すぐにどく!」
飛び退くように私の上から移動するレオン殿下。
そのあと私はゆっくりと立ち上がるが、レオン殿下はワキワキとしきりに右手を動かしている。
なにをそんなに気にしているんだろう?
すると、見られていることに気づいたのか、バッとこちらに素早い動きで向き直る。
「い、いや、違うんだぞ!?わざとじゃないんだ!ただ、危ないと思って…!」
「しっかり存じてます。そのような誤解はしていませんのでご安心ください」
「そ、そうか。それはよかった…」
私の言葉に、露骨に安心するレオン殿下。
でも、そのあとのモミモミはわざとだな。きっと。おそらく。たぶん。絶対。
「レオン殿下はお胸がお好き…なるほど…」
ヴィサス様。
その情報をどこで使うつもりですか。
いけませんからね。絶対。
「って、ん…?殺気…!?」
バッ、と瓦礫の山の方を振り返って見てみると、そこにはいつの間にか赤いローブを着たゴブリンメイジが立っていた。
「いつの間に背後に!?」
気配などには敏感な方だと自負している私が、これだけ何も感じさせず接近を許すなんてあり得ない。
何かカラクリがありそうだが、今は2人を守らなければ。
急いで、レオン殿下たちとゴブリンメイジの間に入る。
しかし、ゴブリンメイジは私たちに攻撃を仕掛けることもなく、私たちの横を通り抜ける。
ゴブリンメイジが通り抜ける間も気を抜かず、いつ攻撃がきてもいいように身構えていたがそんなこともなく、そのまま洞窟の奥に消えていった。
……そういえば、何故ゴブリンメイジは私たちに不意打ちを仕掛けなかった?
私たちは完全にゴブリンメイジの存在に気づいていなかった。
その状態なら、後ろからいくらでも攻撃できたはずだ。
なのに、奴はそれをしなかった。
できなかった?それとも……
「誘っている…のか?」
「かもしれませんね」
ゴブリンメイジの目的が私たちを倒すことではなく、奥に誘い込むことが目的なら辻褄が合う。
本当なら、こんなわかりやすい誘いには乗らないのが普通だが……




