表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 18
340/498

追うもの 追われるもの 27

「な、何してるんだ!早く飲め!飲んだらさっさとそれを仕舞うんだ!」



男は慌てた様子で私を急かす。


顔をそらしながら水を出していない方の手で目を覆って、必死に見ないようにしていた。




……そういえば、まだ胸が見えたままでしたね。




胸元を開けたままこちらに来たため、遠くでボンヤリとしか見えなかったものが近くに来たためにハッキリと見えてしまい、それが初心な男には刺激が強すぎたようだ。




だって、まだ暑いから仕方ありませんよね。




「はいはい、分かりましたよ」



私は、顔が見えないように注意しながら両手で水をすくうと、それを口に持っていく。


手と(のど)が冷たくて気持ちいい。



「コク…コク…この水美味しいですね。まるで高山の採れたての水みたいです」


「の、飲んだなら早く仕舞え!」


「なんですか。せっかく褒めているところなのに」


「わ、分かったから!ありがとう!だから早く仕舞え!」


「……仕方ありませんねぇ」



まあ、身体も冷えたことだし、このまま出しておく理由もないので素直にリボンを結び直す。



「……ふぅ…お前、もう少し自分の身体を大事にしろよ」



私が仕舞い込んだことを確認すると、安心したかのように息をつく男。


出していた水は握り潰すようにして消す。



そうやって心配するかのような言葉をかける男に、私はさっきの光景を思い出した。



「…………こっそり見ていたくせに」


「あ!このやろっ!俺は見ないように必死に…!」



「あのぉ……」



「「!」」



そのとき、私たちの横からいきなり声が聞こえる。


声が聞こえた方に視線を向けると、そこには橙色の髪をした女が申し訳なさそうに立っていた。



「えっと…どうしました?」


「いや…和やかに話されているところ申し訳ないんですけど、一つ伝えたいことがあって…」


「はぁ…それは一体?」


「あの……()()()()()()がいいんですか?」


「……動く?」


「ほら、始めに私を動かせるかどうか、みたいなお話をされてたと思うんですよ」


「そうですね」


「それで、あの……動いていますよ?あそこから……」



そう言って、橙色の髪をした女はおずおずとある地点を指差す。


そこは、()()()()()()()()()()()()()()



「……………あ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ