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絶対に許しません 絶対です 7

「メアリー嬢…それは…」


「話は後です!今は目の前の敵に集中しましょう!」



火の玉が飛んできた方向を見ると、そこには杖を持ち、濃い緑色のローブを着たやつが1人。



「ゴブリンメイジだ!幻影魔法を破ったのに気づいて来たのか!」




ゴブリンメイジ




緑色の小鬼のような見た目のゴブリンが、突然変異で魔法が使えるようになった種のことを指す。


魔法の威力と精度はゴブリンメイジが生きていた年月によって変わり、危険度はA〜Cランク相当と言われている。



そして、次は火の玉と風の玉を作り出し、こちらに撃ってきた。



「魔法の()()()()まで使えるのですか。少々厄介ですね」



私は、再びレオン殿下に飛んできた火の玉を左手で斜め上に弾き飛ばす。


火の玉は、空中で消えてしまった。



「くっ…!きゃぁ!」


「っ!ヴィサス様!」



しかし、もう一つの風の玉はヴィサス様を狙っていたらしく、ヴィサス様は同じ風のバリアを作って防ごうとしたが、受け止めきれず後ろの洞窟の中まで吹き飛ばされてしまった。



「ヴィサス嬢!」


「あ!レオン殿下!」



吹き飛ばされたヴィサス様を追って、レオン殿下も洞窟の中に入った。


私も、慌ててレオン殿下を追う。



「ヴィサス嬢!大丈夫か!?」


「うっ…!はい…なんとか…」



ヴィサス様を抱え起こすレオン殿下。


幸い、手足に擦り傷や切り傷だけで大怪我はしていないみたいだ。



外では、シルトとゴヴェル様、スィー様がゴブリンメイジに応戦している。



「メアリー嬢!ヴィサス嬢は無事なのか!?」


「はい!無事です!」



シルトの言葉に素直に返事をする私。

さすがに、緊急時には捻くれたことはしない。



「そいつはよかった!出てこれるなら出てきてくれ!」


「わかりました!レオン殿下、ヴィサス様、歩けますか?」


「俺は大丈夫だが、ヴィサス嬢が…」


「私も大丈夫です!こんなのかすり傷ですから、まだまだ戦えます!」



そう言って、レオン殿下の腕から離れ1人で立ち上がろうとするが、すぐにふらついてレオン殿下に支えられてしまう。



「無理するな。俺が支えておくから」


「うう…申し訳ありません……」



すごくバツが悪そうな表情のヴィサス様。


きっと、罪悪感を感じて申し訳ない気持ちでいっぱいなのだろう。

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