絶対に許しません 絶対です 5
Lesson 1
魔力をそのまま外に放出してみよう。
「普段、何かの属性に変化させてますから変な感じがしますね」
「いい感じですよー。そのまま慣れるまで続けましょう」
「うー、手がムズムズします」
「それも慣れてないからですね。慣れたら気にならなくなりますよ、スィー様」
Lesson 2
魔力が外気で霧散しないように留めてみよう。
「これ…!難しいな…!」
「筋はいいですよ、レオン殿下。あともう少しです」
「なかなか面白いですね。確かに、戦闘中に使えたら便利そうだ」
「お、さすがはゴヴェル様。もうほとんど出来てますね。後は維持できたら完璧ですよ」
Lesson 3
実際に外に出した自分の魔力を触ってみよう。
「これ触る間も無く一瞬で霧散するぞ!?」
「貴方に才能がないだけでしょ」
「……俺にだけ厳しすぎない?」
結果として、スィー様とシルトは出来なかった。
まず魔力を留めることができず、すぐに霧散してしまう。
これは魔力のコントロールによるところなので、根気よく練習していれば、いつか出来るようになるだろう。
続いて、レオン殿下とヴィサス様はすごく惜しかった。
魔力を留めることまでは出来たのだが、触る直前に霧散してしまう。
時間が短すぎて、これでは戦闘では使えないだろう。
それに、留めることに集中しすぎて、戦闘に利用するどころではない。
でも、形は出来ているのでそれを詰めるだけだ。
そして、ゴヴェル様はすごかった。
他の4人は自分で出した魔力に触れることが出来なかったのに、ゴヴェル様だけがほんの少しだけだが触れることができたのである。
体感で2秒くらいだろうか。
あとは、それを発動するのに意識を割きすぎないようにすれば、戦闘中に使うこともできると思う。
やはり、一度も失敗したことがないというのも伊達ではないのだろう。
そして私はこう思った。
これって、結構難しかったんだな、って。
昔思いつきでやったら出来たので、みんなやってないだけでやればできるものと思っていた。
しかし、実際はやろうと思っても難しすぎて出来ないものとして扱われていたので、誰も研究しなかっただけのようである。
もしみんな知らないなら、他の使い道は教えないほうが良さそうだ。
広まれば絶対ヤバそうだし。
そもそも使えるやつがゴヴェル様くらいセンスがある人だけみたいなので、あまり心配しなくてもいいのかもしれないけど。
「さて、あらかた教えましたし、そろそろ帰りますか。あとは各自で練習するということで」
「…そうですね。悔しいですが、今はここまでにしましょう」
「そうだな。帰ってからゆっくり練習するとしようか」
練習は一時中断し、再び帰ることにしました。
焦って今覚えようとしても、時間が足りなくなるでしょうし。




