精霊と伝説とアホな鳥 22
『妾もメアリーが表に出ている時に使える魔法は限られているし、そんなものなのだろうな』
「はぁ、まあそうなのでしょうね。で、これで何か悪いことでもあるんですか?」
一番気になるところはそこである。
元々二つだった魂が、ほんの一部とはいえ混ざり合っている状態なのだ。
何か拒絶反応とか、そういう悪いことが起きたりしないのだろうか?
『そのことなのだが、今のところ何も起きておらぬようだ。本来なら魂の拒絶反応が起きてもおかしくないのだが……妾たちが生まれ変わりだからか?』
そういえば、私とルナは今世と前世の関係だった。
他の人とは違い、魂が非常に似ているとかそんな理由で拒絶反応が起きていないのかもしれない。
『いや…いくら前世からの関係といっても、妾と人間だぞ?魂が似るとかあり得るのか…?』
「ん?何か言いましたか?」
ルナが何やらボソボソとはっきりしない声でテレパシーを送ってくるため、ちゃんと聞き取れない。
『あ、ああ、いやなんでもない。とにかく、妾たちにはこれといって害は無いようだ。今は分離する方法も分からぬし、とりあえずこのままでいいだろう』
「…まあ、そうですね。魂が混ざるなんて、世界広しといえど私たちだけでしょうし、元に戻る方法なんて探しても見つからないでしょう」
人間では認知することすら出来ない魂の融合。
もちろん、認知出来ないのなら干渉することも出来ない。
干渉出来ないものを研究するやつはさすがにいないだろう。
「……我が主よ。私たちはそろそろ…」
「挨拶も出来たし!もう帰るね!」
そのとき、ガイアとホムラが声をかけてくる。
話しかけるタイミングを伺っていたようだ。
「はい、今日はありがとうございました。次に会ったときは貴方たちのこと、もっと教えて下さい」
「はい、喜んで」
「ウチのこともっと教えてあげるね!」
精霊王と話せるなんて、本来なら一生かかってもあり得ないくらい貴重なこと。
次会ったときはいろいろと精霊のことについて教えてもらいたいものだ。
私の言葉に、ガイアとホムラはそれぞれ笑顔で応えてくれる。
「ありがとうございます。ルナ、貴方は何か言うことはありませんか?」
『…うむ』
私がルナに呼びかけると、ルナが表に出てくる。
それに合わせて私は内側に潜る。
目の色が白から黒に変わる。




