絶対に許しません 絶対です 2
「…レオン殿下……あれは一体何なんだ?」
「いやー、強いことは知ってたが、まさかあれ程とは思わなかったな」
ホルンピッグが現れては、一瞬で殴り倒すを繰り返して何回目だろうか。
後ろで、私を見てなんだかヒソヒソと話をされてる。
ちゃんと倒しているのに私を見てヒソヒソ話をするなんて失礼だな。
力を込め過ぎたら爆散して周りに飛び散るから、ちゃんと気を使って手加減しているというのに。
一体、何が不満というのか。
まあいい。
その分、目の前の豚を可愛がることにする。
「剣士である俺でもギリギリ目で追うのがやっとだ。しかもあれは…」
「ああ、手を抜いているな。本気でやると周りに被害が出るからだろう」
「あ、あれで手加減しているのですか…?メアリー様は一体どれほど…」
「あれ空中を蹴ってません?無属性魔法しか使えないのではありませんでしたっけ?」
「…無表情でホルンピッグを殴っています…ちょっと引くかも…」
「それは酷くないですか?スィー様」
「「「「「め、メアリー様(嬢)!?」」」」」
なんですか、化け物が現れたみたいな反応して。
失礼しちゃう!プンプン!
「…………」
「なんですか、みなさん黙り込んで」
「…いや、プンプンはちょっとメアリー様の雰囲気には合わないかなって…」
……ヴィサス様に引かれてしまった…
恥ずかしい…
「…とにかく、ホルンピッグは片付けました。先に進みましょう」
「…そ、そうですね…」
少し恥ずかしい思いをしましたが、まだ許容範囲内です。
次、挽回すればいい話です。
「あ、そういえば、お前空中蹴ってなかったか?あれどうやるんだ?」
「は?なんで貴方なんかに教えないといけないんですか?」
「え、メアリー様?その話し方は…」
「……あ」
まだヴィサス様にはこの私を見せてないんだった!
ど、どうしよう…?
というか、シルトの野郎がこちらを見てプスプスと笑ってやがる。
ぶっ飛ばしてやろうかな。




