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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 17
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精霊と伝説とアホな鳥 2

『恥ずかしいドレスとは失敬(しっけい)な!これは妾を象徴する大切なドレスで__』


「はいはい。そういうのいいですから、服をもとに戻してください。こんな服では動きづらいですし、何より恥ずかしいです」


『………………』



ものすごく不満そうな気持ちが伝わってくるが、しばらくすると服が変化し始めた。


いつも着慣れた、白のリボンブラウスに藍色のハイウエストジャンパースカート。

ウィーリング学園の制服だ。



「って、私学園も退学になってると思うんですけど、これ着ていいんですかね?」


『知らん。そもそも妾は、そなたのその格好以外の服を知らんぞ』


「そういえば……」



学園に入って着ていた服はほとんどコレだったかもしれない。


学園に入る前と言えば、貴族らしい何かしらのドレスを着ていた気がする。



「……まあいいでしょう。誰に見せる訳でもありませんし、制服くらい問題ありません」



気にしないことにした。

ここでいちいちどんな服が着たいか説明するのも面倒だし、ドレスよりかはマシだ。



『…だいたい、妾のドレスに文句をつけるが、この制服とやらも大概ではないか?胸がこれでもかと強調されているぞ』



ルナが不満の声を上げる。


まあ確かに、ウエストを締めるような服の構造上、胸の形がハッキリと分かってしまう。


どうせ、学園のお偉いさんの趣味なんだろうが……



「あのドレスよりはマシです。アレ、胸だけに飽き足らず、腰からお尻まで全部のラインが丸見えではないですか。その上背中はなんです?丸見えどころかむしろ晒してますよ」



あの漆黒のマーメイドドレス。


実は背中側がガバッと大きく空いていて、私のシミ一つない白い肌の背中が完全に露出している。


これでは、見てくれと言っているようなものだ。



『なんだなんだ…!そんなに言わなくてもいいではないか…!妾だって好きであのデザインにした訳ではないというのに…!妾だって本当は…!』



今度は泣きそうな雰囲気が伝わってくる。


どうやら、本人もあのドレスのスタイルには思うところがあったらしい。


言い過ぎただろうか……少し罪悪感がでてきた。



『ふん…っ!どうせ妾は恥ずかしい服を着た痴女だ…!』



ルナが拗ねてしまった。


めんどくさ……じゃなくて、これは私が言い過ぎたせいでもあるし、慰めてあげなければ。



「すみません、言い過ぎました。確かに、あのドレスも素敵でしたよね。女性の魅力を最大限発揮出来る、素晴らしいドレスだと思います」


『………………』



どうだ?少しは響いてくれたか?

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