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ヴィサス・カサンドラは気になる

「…メアリー様とレオン殿下。何を話していらっしゃるのでしょうか…」



戦闘中、チラッと見えたのだが、メアリー様とレオン殿下がお話しているのが見えた。


なんだかいい雰囲気みたいで非常に気になる。



「ヴィサス嬢!今だ!」


「あ、はい!ウィンドカッター!」



いけないいけない。今は戦闘中。

戦いに集中しなければ。



私の放った魔法が空を裂き、そのままホルンピッグの胴体を切り裂く。


それでホルンピッグは致命傷を負い、ドシンと倒れると動かなくなってしまった。



「よーし!討伐完了!早いとこ角を取ろうぜ!」



そう言って、シルト様が採取用のナイフで角をゴリゴリ削り始める。


これで合計六匹目だ。


そのうち四匹は私が仕留めた。


レオン殿下はしっかり見てくれただろうか?



気になって後ろを振り返ると、メアリー様とレオン殿下がすごく気安い雰囲気で話していた。



特にあのメアリー様の笑顔。



女の私でも思わず見とれてしまうほどに美しかった。


その後はレオン殿下の言葉に赤面したりして、なんだが普通の女の子みたい。



「メアリー様って、あんな顔もできるんですね…」



胸がチクリと痛む。


私は上手く話せないのに、メアリー様は楽しそうにお話して。



私もそんな風にお話してみたい…



そんなことを思っていると、レオン殿下が笑いながらこちらに向かってきた。


どうやら、話は終わったみたいだ。



「メアリー様…信じてもよろしいんですよね…?」



疑念が膨らみ、メアリー様に攻撃的な気持ちを向けてしまいそうになるが、ギリギリで踏みとどまる。



ダメです!メアリー様は私とレオン殿下が上手くいくように応援してくれているんです!

疑うなんてもってのほかです!



頭を左右に振り、邪念を振り払う。



「大丈夫。メアリー様が裏切るはずがございません。あれはただ、普通に会話しただけ。気になるなら、あとで本人に直接聞けばいいだけです」



心を落ち着かせる。


よし、これで大丈夫。

さて、私も角を採取するのを手伝おうかな。



「シルト様。私の魔法なら綺麗に取れると思いますよ?」



うん、私もメアリー様みたいに、もっと自然に話せるように頑張ろうかな。

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