アタシが別のアタシになった日 23
王城につくと、まず王様と謁見した。
事前に、挨拶の手順とかは教えてもらってはいたが、本番は緊張しすぎて何を喋ったかほとんど覚えていない。
何もお咎めがないということは大丈夫だったのだろう。
というか、そう思いたい。
それから無事、初代聖女様の性でもある【へルディン】の名を頂き、晴れて学園に通うことになったのである。
そして、いざ学園に通う日、アタシはあることを思いついた。
……別にゲームの展開通りに進める必要はないのでは?
アタシの行動によってゲームの展開が分岐してしまうのならば、逆に自分に都合が良い展開に変えることも可能ではないか?
ゲームの物語がどのように進んでいくのかはすでに理解している。
どこでイベントが起きるとか、ラスボスの正体とか。
ならばそれを利用して、わざと展開を早めることで早くエンディングを迎えられるのではないか。
「どうせレオン様はアタシのことが好きになるに決まってるし、ラスボスもすぐそこにいるんだから相手の準備が出来る前に叩いてしまえばいいわ。大丈夫、アタシ聖女だし」
ゲームで一番攻略が楽だったレオン様ルートを利用して、さっさとエンディングを迎える。
具体的には、レオン様の好感度を上げ、ラスボスの正体を明かしてラスボスの準備が整う前に討伐する。
レオン様の好感度はゲームでは特に何もしなくても勝手に上がっていったし、大丈夫でしょ。
…よし!完璧な作戦だ!
こうして調子に乗ったアタシは、相手が生身の人間であることを失念したまま、無謀な事をしだす。
そのおかげかは分からないが、ゲームでは恋のライバルだったはずのヴィサスに説教されたり、ラスボスのはずのメアリーにボコボコにされたり、あげくにメイドにされたりと波乱な日々を迎えるのだが……
ああ……あの頃は幸せだったな……
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