アタシが別のアタシになった日 12
「あら、今日も手伝ってくれるの?無理に付き添わなくてもいいのよ?」
「何言ってるの!アタシが手伝いたいから手伝ってるだけなんだから!それに、お買い物の途中で何かあるかもしれないし!」
「そう?ならお願いしようかしら」
今日も今日とて、いつものようにお母さんと一緒に買い物に出かけていたとき__
「__あ!イーリスー!おばさんもこんにちは!」
お買い物に行く道中で、遠くからトテトテとこちらに近づいてくる人影が一つ。
件の萌袖パーカーに超ミニの短パンを履いたハルカだった。
「あ、ハルカじゃん。どうしたの?」
「ボクも買い物だよ〜。今日はハンバーグの予定なんだ!」
満面の笑みで答えるハルカ。
ハルカは料理が得意で、料理人顔負けの腕前で、何回か食べさせてもらったがほっぺたが落ちそうなほど美味しかった。
その見た目やあざとい動きも合わせて、ハルカの女子力はその辺の女子よりも高すぎな気がする。
生まれてくる性別を間違えたのではないだろうか?
「あら、ハルカ君のお家はハンバーグなの?ハルカ君のお料理はとても美味しいから羨ましいわぁ〜」
「そんなことないよ。ボクくらいなんて、探せばいくらでもいるだろうし…」
「謙遜しなくてもいいのよ?ハルカ君のお料理が美味しいのは事実なんだから。ね?イーリス?」
「そうそう!ハルカの料理はすっごく美味しいから、また料理食べさせてよ!」
「…そうかな?ありがとう…!今度腕によりをかけて作らせてもらうね!」
「うん!楽しみにしてる!」
そう言って、笑い合うアタシたち。
「あらあら、妬いちゃうわねぇ〜。お母さんも、もっと腕を上げなきゃ」
「もちろん、お母さんの料理が一番だよ!今日も楽しみなんだから!」
「ウフフ。ありがとう、イーリス。それじゃあ、今日は期待に応えて張り切っちゃおうかなぁ〜?」
腕まくりをする動作をして、今日は頑張るぞアピールをするお母さん。
アタシとハルカは、それを見てまた笑い合った。
お母さんもアタシたちを見てニコニコ笑っている。
とても幸せだった。
だけど、そんな何気ない日常を過ごしていたある日、事故は起きてしまった。




