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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 14
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天罰 2

「う、うわぁぁぁぁっ!!!」


「い、一体なんなんだ…!?」


「もう終わりだ……世界の終わりなんだ……」



妾の魔力と殺意に晒されて、ただの一般兵士が恐慌状態に陥ってしまった。


漏れ出ただけの魔力だけならともかく、妾の殺意まで受けてしまえば、よほど精神が強くない限り錯乱することからは避けられない。



「や、止めろ…!止めてくれ…!」



レオンが情けない声で妾に嘆願(たんがん)する。


レオンも、妾の殺意に耐えるだけで精一杯のようだ。


前回、キングゴブリンのときは殺意に晒されただけで死にかけたことを考えれば、だいぶ成長したとも言えるが。



「止める?何故だ。妾が止める理由がどこにある」


「兵士たちは……関係ない……悪いのは俺たち王族だけだ…!」


「それこそ、妾には関係ないことだ。だいたいそうは言うが、お前たち人間は魔族が止めてと懇願(こんがん)したとき、止めたのか?いや、嬉々として魔族狩りをしていたはずだ。違うか?」


「それはっ…!」


「それに対して何故妾が遠慮する必要があるというのだ。それに妾はただ殺気を出しているだけ。これくらい(あらが)ってみせよ」


「ぐっ…!!」



ギンッ、とさらに圧力を上げる。


すると、レオンは立っていられなくなったのか、その場に膝をついた。



「「うわぁぁぁぁっ!!!」」

「「きゃあぁぁぁっ!!!」」



兵士たちはもう半狂乱だ。


もはや、兵士としての役割を果たすことは出来ないだろう。


このままでは、圧力に耐えきれず自殺する者が出てくるかもしれない。



「な、なんだこれは…!?助けてくれぇぇぇ!」


「くっ…!我が君…!」



そのとき、一般兵士と同じように狂ったように声を上げる男が一人。


あのとき逃げ出した男だった。


その隣には、全身が黒ローブで包まれていてよくわからない奴が妾の殺気に耐えながら男のことを心配している。



「…む、そこにいたか。お前にはたっぷりと礼をしなければな…」



妾は、あのとき逃げ出した男に人差し指を向ける。



「うわぁっ!なんだ!?何が起こってる!?」


「我が君…っ!」



すると、男の身体が宙に浮かぶ。


男は必死にもがくが、無意味に宙を切るだけで何も起きない。


それを悔しそうな様子で見上げる全身黒ローブ。


妾は、男をそのまま妾と同じ高さにまで引き上げた。


そして、男の耳元に顔を寄せる。



「さて、どうしようか……手足の先からゆっくり寸刻みにしてゆくか?それとも、お前の目の前でお前の大切なものを壊してやろうか?」


「ひ、ひぃぃぃぃっ!!や、止めてくれ…っ!!」



耳元でネットリとした声で語りかけるように(ささや)く。


男は恐怖に身を震わせ、もう発狂寸前だ。

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