天罰
「__ずいぶんと楽しそうだな。お前たち」
空中から広場を見下ろす。
そこには、レオン、ヴィサス、それに現代の聖女である…確かイーリス?という名の女がいた。
それに他にも兵士の格好をしたやつなど、結構な人数が集まっている。
「……き、貴様…!王家の方々に失礼だぞ!この方たちを何と心得る!」
そのとき、レオンの隣にいた兵士の格好をした男が、勇敢にも妾に声を荒げてきた。
妾はゆっくりとその兵士に視線を合わせる。
「ヒッ…!そ、そんな怖い顔をしても駄目なものは駄目だ!今すぐ降りてきて謝りなさい!」
「や、やめろ!それ以上言うな!」
「……………………」
レオンが必死にその兵士をこれ以上しゃべらないように止める。
しかし、兵士は変な正義感に酔っているのか、聞く耳を持たない様子。
妾はその兵士に向かって人差し指を向けた。
「ル、ルナ…?何をする気だ…?」
「ふ、ふん!何をするつもりか知らないが無駄なことは止めて__」
「……………………」
妾は兵士の言うことを無視して人差し指をクイッと下に曲げる。
その瞬間__
__ッドオォォン………
兵士の真上から雷が落ちた。
「…………え…?」
レオンは何が起きたのか分からず、ゆっくりと兵士がいた場所に頭を向ける。
そこには何も無く、ただ地面に人一人分の穴が空いているだけ。
それを見てもまだ理解出来ないのか、それとも理解したくないのか、小刻みにまばたきしながらその穴を見つめるレオン。
「……何をするか、だと?妾に不敬にも上から説教する奴がいたものでな…その生意気な口を永遠に閉ざしてやっただけだ」
なんでもない事かのように説明する。
実際、妾にはどうでもいいことだった。
ただ、不敬にも妾に生意気な口をきいたので見せしめにやっただけ。
ただそれだけだ。
「……殺したのか…?」
「そうだが?それが何か?」
「……別に殺さなくてもよかったじゃないか…」
「何を言う。妾は不敬なやつに罰を下しただけだ。妾は魔王……魔族の頂点に立つ、王であるぞ」
妾がそういうと、レオンはキッと妾を睨んでくる。
それを妾は涼しげに受け流す。
「だいたい、お前たちがそれを言うのか?妾の大切な同胞たちをあんな目に遭わせておいて…?ん…?」
「そ、それは……!」
「お前たちが魔族にしたことを考えれば殺されたって文句は言えまい……そうであろう?」
「ぐっ…!」
レオンは妾の言い分に言い返すことが出来ないのか、悔しそうに歯噛みする。
「…知っているか?怒りが限界を超えると逆に冷静になると…今回のことがなければ知らなかったことだ……知りたくもなかったがな…」
妾は抑えていた魔力を解放した。
それと同時に、人間たちに向けていた殺意を抑えるのを止めた。
その瞬間、辺りが妾から漏れ出た魔力で埋め尽くされる。
辺りの圧力が一気に増した。




