レオン殿下は望みをかける
「__状況はどうなっている!?」
「っ!レオン殿下!お待ちしておりました!」
俺の名前はレオン。
レオン・ソル・シャーユ。
シャーユ王国の第二王子にして、次期国王に一番近いと言われている。
王子としての責務を果たすため、日々鍛錬と勉強、さらに人脈づくりと毎日忙しくさせてもらっている。
そして、今はかつてないほどの緊急事態に直面している。
兄上がとんでもないことをやらかしてくれたのだ。
それも、龍の逆鱗の上でタップダンスを踊るような暴挙を、だ。
それで俺は、陛下の命で外に出ていたのだが、急遽王城に戻ることになった。
始めは「雷のようなもので王城が破壊されている」という情報しか聞かされていなかった。
しかし、王城に戻る途中にさらにとんでもない情報を聞かされたのだった。
それは、兄上がメアリー嬢に禁薬を使い、さらには例の奴隷商人から秘密裏に買い上げた奴隷二匹を時間稼ぎにぶつけるというものだった。
メアリー嬢の秘密を知っているならそんなことをするはずないのだが、兄上はよりにもよってあの奴隷商人から買い上げた二匹を時間稼ぎに使うように指示した。
これでこの国の秘密に気づかれた時、この国は終わってしまう。
その前にメアリー嬢…もとい魔王ルナを宥めて落ち着かせなければならない。
もしそれが出来ず、この国の秘密を知られようものなら、間違いなくこの国は滅亡するからだ。
俺は焦燥感に駆られ、急いで王城の門をくぐり、そのまま入口前の広場に到着する。
そこには、王城から避難してきたであろう人たちが大勢いた。
しかし、その中に兄上の姿が見えない。
まだ王城の中にいるのか…?
その時には、すでに雷の音は聞こえなくなっていた。
嫌な予感がする。
「まずは現状の報告をしろ!」
「はい!現在は雷が止まり、王城の破壊は停止しているようです!」
「そんなことは見て分かる!その後王城の中はどうなっていると聞いているんだ!」
「は、はい!それが……中はあちこちが破壊されており、いつどの場所が崩落するか分からない状況でして…中に入って調査することはまだ出来ていません…」
「ぐっ…!クソッ!」
マズイ…!
雷が止まっているということは、ルナがすでに例の二匹と出会っている可能性が高い。
今すぐにでもルナのもとに行かなければ…!
俺は急いで王城の中に入るために入口に向かう。




