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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 13
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約束 5

「解除するのであれば、術者とそれに使う魔道具をそれぞれ破壊すれば解けるはずだが……」



イーゴとキュルトスにかけられた操る魔法を解くためにいろいろ考えてみる。


意識を縛り操る魔法はとても繊細(せんさい)で、精神に深く作用することから、無理に解こうとすれば精神ごと破壊してしまう恐れがある。


そうなれば、イーゴとキュルトスは精神が崩壊して廃人と化してしまう。


そうなっては本末転倒だ。



なので、ピンポイントに魔法の部分だけを取り除きたいところだが……



ヒュンッ!ドゴォ!

   ヒュンッ!ドゴォ!



考え事をしている間にも、イーゴとキュルトスから魔法が飛んでくる。


妾はそれを(かわ)し、時には手で弾きながら二人の魔法を避けていく。



「まずは術者と魔道具がどれかを探るとしよう」



意識を集中する。



操る魔法は種類こそいろいろあるが、魔道具を通じて術者の魔力を精神に流し込み、意識を支配している場合が多い。


ならば、常にどこかから術者の魔力が魔道具を通じてイーゴとキュルトスに流れ込んでいるはず。


その流れを読めば、術者と魔道具がそれぞれどこにあるかが分かるということだ。


普通なら調べてもわからないほどに魔力の流れは微弱で感知することは不可能なのだが、妾なら自身の魔力で空間を埋め尽くすことで自身以外の魔力を感じ取ることが出来る。



ゆっくりと、確実に空間を魔力が埋め尽くしていく。



ヒュンッ!ドゴォ!

   ヒュンッ!ドゴォ!



何にも変換していない純粋な魔力は、空気中では霧散しやすい性質を持つ。


そんな中、イーゴとキュルトスから無慈悲にも魔法が飛んでくる。


魔法を避けながら、魔力が霧散しないように最大限集中する。

実に緻密(ちみつ)な作業だ。



「……よし、わかったぞ。魔道具はそれだな?」



二人の首に引っかかっている大きな首輪から、ものすごく微弱だが魔力が放出されている。


やはり、昔の二人はそんなものをつけていなかったので怪しいと思っていたのだ。


残るは術者の方だが……



「この魔力……まさか先ほどの男…!」



首輪から感じる魔力の質が、先ほどこの部屋から逃げていった男のものに酷似(こくじ)している。


ほぼ間違いなく、あの男が術者だろう。

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