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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 13
201/381

約束 3

「おお!久しぶりだな!イーゴ!キュルトス!」



扉が開いて、そこには二人の人影が立っていた。




向かって左側に立っているのは、少し見上げるくらい大きな石像だった。


背中に大きな翼が生えていて、筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)の見た目に手と足の爪が鋭く尖っている。


耳も尖っていて、目はツリ目で頭には二本の大きな角が生えている。


そして、首には大きな首輪が引っかかっている。



その姿は、伝承にある【ガーゴイル】の姿そのものだった。


妾が【イーゴ】と呼んだ方で、昔はとても頼りにさせてもらっていた。




右側に立っていたのは、少し背が小さな可愛らしい女の子だった。


こちらは小さな翼が背中から生えていて、小さな腕にむっちりとした女の子らしい足、成長途中の少しだけ膨らんだ胸、それにこれまたむっちりしたお尻から生えた、先がハート型になっている尻尾が実に可憐だ。


だが、幼い見た目に反して服装はものすごく過激。


黒の紐のような服で、胸の先や股の大事な部分だけを隠しているボンテージ風の、服と言えるか分からないような衣装を身にまとっている。


足はむっちりとした肉感のある太ももを強調するように、密着感の強い黒いニーハイソックスに黒いショートブーツを履いている。


ニーハイソックスの縁に締め付けで太ももが乗っかっている様は、幼い見た目に反して大人の色気を感じる。


同じように、二の腕まで隠れるように黒いアームカバーをつけていて、その縁には可愛らしいレースが施されている。


顔は非常に整っていて、小さな二本の角にピンク色の瞳をしたタレ目、同じくピンク色の肩まである巻き髪、薄い色素の可愛い唇は、おっとりとした癒しの雰囲気を(かも)し出す反面、滲み出す色気は男を狂わせ、惑わせること間違いない。


そして、こちらの首にもガーゴイルと同じ大きな首輪が引っかかっている。



その姿は、正に【サキュバス】であった。


名前は【キュルトス】。

名前からすでに可愛らしさが溢れている。


二人共、妾の大切な同胞だ。



「すまない、何も言わずに急にいなくなってしまって。そなたたちを守るために必要だったのだ。妾が死ぬと分かればそなたたちは必ず止めに来る。そうなれば勇者との戦いに巻き込まれてしまう。そうであろう?」



二人は扉を開けたときの姿のまま、少し(うつむ)いてその場に立っているだけで動こうとも話そうともしない。


それを妾は勝手にいなくなったことを怒っているのだと思い、いろいろと言い訳を並べる。


しかし、それでも二人はうんともすんとも言わない。


妾も、さすがに何かおかしいなと首をかしげた。

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