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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 13
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約束 2

「……よし、メアリーも大人しくなったな」



思惑通り、あの男に何かしようとしなければメアリーも大人しくなるようだ。


薬の効果を抜かなければ、この先もこんな面倒なことが続く。


早めに薬を抜かなければ。



「惚れ薬か……材料が分からなければどうしようもないな…」



解毒薬を作ろうにも、元の薬が何なのか分からなければ作りようがない。


メアリーの意思が薬を上回れば、もしかしたらがあるだろうが……



「……む、そろそろ来るか」



懐かしい魔力がだいぶ近づいている。


もうすぐ到着しそうだ。



「……そうだな。せっかく懐かしい二人に会えるんだ。こんな殺風景なところじゃ申し訳ないな…」



自身の雷で周りは荒れに荒れている。


椅子は吹き飛び、壁は破壊され、床には穴が空いている。


これでは、逢瀬を楽しむには少し不適当だろう。



「…軽く直しておくか」



妾は両手を広げる。


そして、魔力を部屋全体に妾の魔力を流し込み、満遍(まんべん)なく満たした。


そこからは劇的だった。



部屋全体が少しずつ揺れ出す。


すると、床に空いていた穴がみるみる塞がっていき、破壊されていた壁が元通りに修復され、吹き飛ばされていたテーブルやイスは、まるで空を飛ぶように元あった位置に戻る。


もちろん、傷や壊れていたところは全て直っている。



「よし、これで出迎える準備は整ったな」



部屋の外は何もイジってないのでそのままだが、この部屋は最低限形にはなった。


後は、あの二人が来るのを待つばかりだ。



「……さすがにもてなしは出来ないか。まあ、それはまた今度にすればいい。今はただ再開を喜ぼう」



部屋を直している間にすぐそこにまで魔力が迫っている。


もう扉の前にまで来たみたいだ。



「久しぶりだな!我が同胞よ!懐かしいぞ!妾がいない間息災だったか?」



待ちきれず、扉越しに声をかける。


そのとき、扉がゆっくりと開いた。

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