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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 13
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約束

バチバチッ!ドゴォッ!



「…くっ!出力が上がらない…!」



あの男が扉から出ていってからもう随分と経つ。


あの男を追いかけるように雷を放つが、狙いが定まらず上手くいかない。


仕方ないので雷を全方位に放つが、これも出力が全然上がらず、少しずつしか周りを壊せない。


それならばと普通に追いかけようとしたら、それすら足に上手く力が入らず、走り出すこともできない。


これではあの男に逃げ切られてしまう。



「くぅっ!メアリー!一体どうしたというのだ!しっかりしろ!」



それもこれも、内側にいるメアリーの妨害のせいだ。


あの男に何かしようとすると、メアリーが内側から妨害を仕掛けてくる。


魔力を乱したり、身体の主導権を一部奪い返してきたりしてきて、にっちもさっちもいかない。



「止めてください!あの人に手を出さないで!」


「ぐうっ!メアリー…!」



何度問いかけても同じ答えしか返ってこない。


おそらく何らかの薬を盛られているのだろうが、この感じだと惚れ薬でも盛られたか。



「薬ごときに屈しおって…!」



今はそんなことに(なげ)いていても仕方ない。


とにかくこの状況を何とかしないと。



「さらに魔力の出力を上げようとしてみるか…?いや、それだとただメアリーとの押し合いになるだけ……ん?」



そのとき、遠くから二つの魔力がこちらに近寄ってきているのが分かった。


しかもこの二つは……



「懐かしい魔力……まさかあの()()か?」



妾が()()()()()()()()()()から初めて心を許した相手。


あのとき、心が(すさ)みきっていた妾を、暖かい心で寄り添ってくれた二人。



「まさか……妾の魔力に反応して来てくれたのか?」



死んで生まれ変わってから、妾は何度か魔力を解放している。


もしかしたら、その魔力を察知して向こうから会いに来てくれたのかもしれない。



「ならば、こんなことをしている場合ではないな。あの二人が来ているのに暴れるわけにはいかぬし…」



心を落ち着かせる。



全方位に放っていた雷もおさめる。


あの男に何かしようとしなければ、メアリーも大人しくなるはず。


解放していた魔力を少しずつ抑える。



……よし、これでいつでも大丈夫だ。


あの男は後から血祭りに上げればいい。


今は、懐かしい友との逢瀬(おうせ)を楽しむとしよう。

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