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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
幕間 10
196/377

レオン殿下は焦る 2

「__殿下……レオン殿下!」


「その声は…ヴィサス嬢か!」


「アタシもいますよ!」


「イーリス嬢まで…!」



俺に馬に乗って走りながら近づいてくる者が現れる。


ヴィサス嬢とイーリス嬢だ。


ヴィサス嬢が華麗に馬を操り、その後ろに引っ付くようにヴィサス嬢の腰に手を回しているイーリス嬢。


二人共、今起こっていることが何となくわかっているのだろう。


表情は真剣そのものだ。


おそらく、メアリー嬢のもとに駆けつけるつもりなのだろう。


しかし……



「この先は危険だ!今すぐ引き返せ!」


「レオン殿下!レオン殿下が心配なさるお気持ちは十分に分かるつもりです!しかし、ここで私は引く訳にはいかないんです!行かせてください!」


「しかし…!」


「レオン殿下!」


「…っ!イーリス嬢…!」



そのとき、イーリス嬢が真剣な眼差しで俺の方を見てきた。


その目は、以前のような(よこし)まで色欲に満ちた瞳じゃなく、何かものすごく訴えかけてくるような力強さを感じる。


思わず、少し気圧(けお)されてしまう。



「レオン殿下。あの王城から聞こえる音は魔王の仕業ですね?」


「いや、それは……」


「アタシはこれでも聖女です。魔王の力くらい感じ取ることはできます。そして、相手が魔王であるならば、聖女の力も絶対必要となる…違いますか?」


「う、うむ……だがな…」



確かに、魔王の天敵である聖女の力があれば、魔王を抑え込むのに有利だろう。


上手くやれば、そのまま討伐できるかもしれない。


ただ、いくら魔王といえど相手は……



「分かっています。アタシがそのまま魔王を滅してしまわないか心配なのですよね?その必要はありません。ちゃんと手加減はしますので」


「…っ!な、何故だ?」


「アタシ知ってますから。魔王がメアリー様だってこと」


「っ!?」



何故イーリス嬢がそのことを知っている!?


あれは国家機密に相当するもので、絶対に誰にも話さないようにしっかり口止めしたはず。


…誰か金に惑わされて情報を売ったか?


いや、俺の周りにはそういうことをするやつは一人もいないはず。


この俺が直接見て選んでいるんだ。

間違いはない。


ならば、自力で気づいたことになるが…

メアリー嬢め。

気づかれるようなヘマをしたな?


しっかりしているようで抜けているところが結構あるからな。

まあ、そこが可愛いところでもあるのだけど。


今回は、おそらくそのせいだろう。

(ほとんど正解)

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