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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 12

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激情 4

____ガシッ!




「……お前、一体何をしようとしている?」



妾(・)に伸びてくる腕を空中で掴み取った。



「ぐっ!な、なんだ!?」



ネッチョリとしたいやらしい目つきに、無礼にも小汚い手で妾に触れようとしていたので、思わず悪寒が走って必要以上の力で掴んでしまった。


男の腕がミシミシと軋(きし)む。


そのためか、痛みに歪んだ表情をする男。


男は咄嗟(とっさ)に妾に掴まれた手を振り払おうとする。


妾も別に触れていたい訳ではなかったので、男の腕を解放した。


すると、男は予想していた抵抗がなくて勢いが殺せず、後ろにたたらを踏む。


妾に掴まれていた腕を押さえながら、ハァハァと荒い息を吐く。



「…なんだは妾のセリフだ。誰の許可を得て妾の身体に触れようとしている?」


「貴様……魔王だな…?」


「おお、妾のことを知っているのか。で、お前は一体何なんだ?」



冷えた目で男を睨(にら)みつける。


男は一度深呼吸すると、軽薄(けいはく)そうに笑いながら余裕の態度に変わった。



「…僕のことかい?僕は君の想い人さ。忘れちゃった?」



そう説明しながら、なおも軽薄な態度を崩さない男。


何か、自分は絶対に大丈夫だと確信を持っているかのようだ。


そして、妾に手を出そうとして拒絶されたにも関わらず、余裕な態度の男に少しイラッとした。



「…忘れるも何もお前のことなどそもそも知らん。何が想い人だ気持ち悪い…」


「っ!?」



冷たい視線をそのままに思ったことをそのまま口にする。


すると男はすごく驚いた表情になった。



「何故だ…薬が効いていないのか…?」


「……薬だと?妾にそのようなものが通じると思うか?妾は魔王であるぞ?」



フン、と鼻を鳴らす。



「それよりも、薬ごときで妾をどうにかできると思われていたほうが心外だな…お前、黒焦げにしてやろうか?」



右の手のひらを上にして自身の胸の前に構える。


バチバチッと音が鳴り、手のひらから雷がほとばしる。



「うわっ!」



その一部が、男のすぐ足元の床を抉った。


男は驚いてその場から慌てて飛び退く。


妾は、少し痛い目を見せてやろうと雷がほとばしる手を男に向けた。

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