秘密の大作戦、開始! 3
「しかし、残りの男性メンバーはどうしましょう?私にそのような伝手はありませんし…」
無色である私には、基本的に仲良くしてくれる人たちはいない。
ヴィサス様やスィー様、フロー様にスエロ様が特別なだけだ。
そんな同性の友達も少ししかいないのに、男性の知り合いがいるはずもない。
レオン殿下は…まあ友達というより臣下の方が関係性は近い気がする。
「そうですね…カサンドラ家の傘下の者たちでも呼びましょうか?」
「私も、ミリタリーお兄様を呼んでみます」
「いや、大丈夫だ。すでに俺が2人呼んである」
ヴィサス様とスィー様がそれぞれ人を呼びに行こうとしたとき、レオン殿下がいきなりそんなことを言い出した。
随分と用意がいいですが…何か嫌な予感がします…
「おーい、レオン殿下ー」
「お待たせしました。レオン殿下」
すると、こちらに歩いてくる人影が2つ。
「お、来たな?待ってたぞ。《《シルト》》、《《ゴヴェル》》」
気安い感じでこちらに呼びかけてきたのは、シルト・エクスプロア。
エクスプロア公爵家の嫡男。
赤銅色のオールバックの髪に、無駄に闘志が満ちている力のこもった真っ赤な瞳。(私主観)
身長は高く、ガッシリとした筋肉質な身体で、制服のところどころから筋肉の盛り上がりが見えるほどに鍛え上げられている。
顔の作りも悪くなく、暑苦しい雰囲気の好青年といった感じだ。(私主観)
右手には胴体を覆い隠せるほどに大きな盾、腰には両手剣を携えている。
見るからにどちらも重そうだが、彼自身は身軽そうに笑顔でこちらに歩いてくる。
常時、無属性魔法で身体強化でもしているのだろうか?
続いて礼儀正しそうな方が、ゴヴェル・ミニストゥロ。
ミニストゥロ公爵家の嫡男。
色は私に似た漆黒のマッシュ型の髪に、私と同じ藤紫の瞳。
左右対称に整った美しい顔で、身長も程よく高く、かといって細すぎる訳でもない筋肉もしっかりついた、いわゆる細マッチョ。
雰囲気も落ち着いていて、正統派イケメンのような風貌はまるで、男版の私のようだ。
武器は背中に携えた刀身が長い剣。
射程が通常の剣より少し長く、その分扱いが難しいが使いこなせれば戦闘を有利に運ぶことができるだろう。
ちなみに、レオン殿下は普通の長剣。
(いろいろ装飾品がついているやつ)
ヴィサス様は、先端に大きな赤い宝石をつけた杖を持っている。
杖は、魔法を使うときの補助に使い、魔法を効率的に使うことができるようにする魔導具だ。
スィー様も、先端の宝石が水色の杖を持っている。
私?もちろん素手ですが、なにか?