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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 11
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緑鬼の王、再び 46

「……まあいい。何か見えているんだろうが、それなら避けれないように撃てばいい話だ」



その瞬間、私の前後左右、さらに真上にまで魔力の揺らぎが出現する。


私は言葉にするより速く動き出した。



まず、一番魔力の揺らぎが濃い右側から拳が飛んでくると読み、集中する。


すると、読み通り右側からまず拳が飛んできた。


それを左手で受け流し、右手で下から腕の部分を殴りつける。


次に魔力の揺らぎが濃い左側。


そこからも同じように拳が突き出してくる。


それも同じように右手で受け流すと、次は上から肘を入れる。



二つの拳はすぐに引っ込むと、次は前後の魔力の揺らぎが同時に濃くなる。


そして、二つから同時に拳が飛んできた。


私はそれを回転しながら同時に受け止め、力を横に逃がす。


拳二つが左右にそれる。


私は、左右にそれた二つの拳に、上から拳を叩きつけた。



「ぐ…っ!うぅ…っ!」



少し離れたところからうめき声が聞こえてくる。


一発ごとに一撃やり返しているので多少は効いているのだろう。



そして、すぐに二つの拳は引っ込んで消えた。


その後、すぐに頭上の魔力の揺らぎがさらに濃くなる。


私はすぐに身を(ひるがえ)し、その瞬間に拳が魔力の揺らぎから落ちてきた。


しかし、私の姿はすでにそこになく、そのまま地面に突き刺さる。


そして、地面に突き刺さった拳に私は思いっきり蹴りを入れた。



「ぐわあぁっ!」



うめき声と共に慌てて魔力の揺らぎの中に引っ込む。


私は、ゆっくりキングゴブリンの方に向き直った。


すると、右腕をかばうキングゴブリンの姿があった。



「ぐぅっ!何故だ!何故我が攻撃する場所が分かる!?」


「何故?そんなの、見えるからですけど?」


「そ…そんな馬鹿な……」



キングゴブリンが信じられないものを見る目でこちらを見てくる。

失礼な。



「さて、そろそろ終わりにしますか」



私は、呆けている隙にキングゴブリンの懐に入る。



「なっ!しまっ__」







「日食……」







その瞬間、とてつもない轟音が響き渡った。


私を中心に地面に亀裂が全方位に広がっている。



「が…っ!馬鹿……な……」



そして、キングゴブリンは口から血を噴き出しながら自身の姿を確認する。


そして驚愕(きょうがく)する。


そこに()()()姿()()()()()()()()()()からだ。



左腕は全て消滅。


左胸を中心に円形に空洞が広がっている。


首と右側の胴体がかろうじて繋がっている状態だ。



「……これでも手加減したんですよ?ルナが貴方を生きて目の前に引きずり出せと言うものですから」


「これで手加減……だと……?」



自身の肉体を完全に貫かれ、消滅させる体術など今までに見たことも聞いたこともない。


しかもこれで手加減など馬鹿げている。


そんなの、人間の力を完全に超えて__



「……そうか…お前はあいつの宿主だったな……そんな奴が普通の訳が無かった…という訳か…」



何かを納得したのか、そのまま崩れるように仰向けにキングゴブリンは倒れた。

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