秘密の大作戦、開始! 2
「うー、上手くいきません…どうしたらいいのでしょう…」
ここ数日、何度もレオン殿下にアタックを仕掛けるも、私とヴィサス様のポンコツ具合が遺憾無く発揮され、ことごとく失敗に終わっています。
おかげで、ヴィサス様の最初にあった勢いはなくなり、今にも自信消失して諦めてしまいそうな雰囲気です。
「そうですね…」
「うーん…」
「えーっと…あ、こういうのはどうでしょうか?」
そのとき、スエロ様が一つの案を思いついたようです。
その内容は、もう少ししたら学年合同でやる魔物狩りの実習のときにいいところを見せる、というもの。
レオン殿下は、今までのお話からか弱い女性ではなく、自らも戦える女性が好みと判明しています。
(今までの度重なる接触で、そのようなことをおっしゃっていたのを聞いた)
そこでレオン殿下と班を組み、ヴィサス様のいいところを見せることで、可愛いだけでなく戦えるということをレオン殿下に知ってもらい、好印象を与える作戦です。
「班はちょうど六人で組みます。つまり、レオン殿下とヴィサス様。その他を私たち四人で固めれば…」
「実習中にいくらでもアピールできるということですね!」
「その通りです!もしものときは同じ班である私たちがサポートいたします。これでレオン殿下はきっと、ヴィサス様の有能さに気づくはずです!」
「わかりました!今度こそやりますよ!」
スエロ様の案を聞き、再び闘志を燃やすヴィサス様。
そして、私たちはそれぞれ顔を見合わせると頷き合い、右手を出して各々重ね合わせる。
「今度こそ、レオン殿下を落とすぞ!」
「「「「「えい、えい、おー!」」」」」
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「ヴィサス様〜……」
「こ、こんなはずでは……」
魔物狩りの実習当日。
作戦通り、皆で班を組もうとしたのだが…
「まさか、男女三人ずつで班を組むルールだとは…これは予想外です…」
そのおかげで、私とヴィサス様、それとスィー様で班を組むことに。
フロー様とスエロ様は仕方なく別の班になりました。
「まあ、いつものメンバーじゃなくて不安なのはわかるが、この俺がついてる。心配しなくていいぞ!」
レオン殿下はいつものように私についてきているので、レオン殿下とは作戦通り班を組めているのがまだ救いだ。