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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 11
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緑鬼の王、再び 31

「……あらかた片付きましたか?」



辺りを見回すと、こちらを襲ってくるゴブリンオーガの姿はない。


どうやら、全部吹き飛ばしてしまったらしい。


私はジャンプしてクレーターから外に出る。



「…ん?プレシさんたちも終わったようですね」



クレーターから出てまた辺りを見回していると、障壁の中から私のことを見ているプレシさんたちを発見した。


でも何故だか、信じられないものを見たような表情をしている。


私は理由がわからず、首をかしげる。



「…よくわかりませんが、とりあえず戻りましょうか」



周りを見てももうゴブリンオーガの姿は見えないので、ヴィサス様に言って障壁を解除してもらおうと声をかけ__





「__おお、これはあのときのやつか?」





そのとき、茂みの奥からどこかで聞いたような声が聞こえてきた。


ドスン、ドスン、とゆっくり足音がこちらに近づいてくる。



…なんだか嫌な予感がする……



私は一瞬で臨戦態勢に入ると、ヴィサス様に大きな声で呼びかけた。



「_っ!ヴィー!今すぐ障壁に穴を!」


「…え?」


「いいから!障壁を開けてください!」


「あ、はい!わかりました!」



急に私が大きな声を出してヴィサス様も混乱したのか、すぐには反応できず呆けた返事をしてしまう。


しかし、こちらの切羽詰まった様子に気づくと、すぐに障壁に穴を開けた。



「お前が相手なら不足はない。まずは挨拶からだな」


「くっ!」



穴が開いたと同時にすぐにその中に飛び込む。


その瞬間、私がさっきまでいたところにものすごい衝撃が走る。


大地に亀裂が走り、衝撃で地面がめくれ上がる。



「うっ…また貴方ですか……」



後ろを振り返ると、そこにいたのはかつて戦い、そして倒したはずの相手。



「久しいな。といっても、そんなに経ってないか?」



ゆっくりと地面に突き立てた拳を引っ込め、仁王立ちをする。


大人三人分はあろう並外れた巨躯。

人間の言葉を理解し、会話できるだけでなく、その仰々(ぎょうぎょう)しい不遜(ふそん)な態度。


ゴブリンたちの王。


キングゴブリンだった。

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