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私に付きまとわないでください 5

「…なるほど。つまりヴィサス様はレオン殿下のことがお好きでいらっしゃるということですね?」


「あ、ちょっ!そんなはっきり言われたら恥ずかしいです…」



両手で顔を覆ってイヤイヤしていらっしゃる。

やっぱり可愛い。



「それで、最近よく話しかけられる私に嫉妬してしまってこのような軽率なことをしてしまったと…」


「は、はい…端的に言うとその通りです。ですがはっきり言葉にすると恥ずかしいのでできたらあまりに口に出さないでくださると嬉しいです…」



指の隙間から真っ赤な顔とうるうるした瞳でこちらにお願いしてくるヴィサス様。



なんて可愛いんだ。

これは新たな扉が開いたとしても仕方ないな。うん。



私はヴィサス様に近づくと、おもむろにヴィサス様の両手を掴んだ。



「え?えっと…どうなされました?」


「…ヴィサス様。私ヴィサス様のこと応援します!」


「え、ええ!?お、応援って、私とレオン殿下のことですか?」


「その通りです!ここだけの話ですが、はっきり言って私レオン殿下の運命の相手はヴィサス様だと思っています!」


「ほ、本当ですか?でも、レオン殿下は私に興味なんてないご様子ですし…」


「心配には及びません!レオン殿下はヴィサス様のことをよくお知りになっておられないだけです!ヴィサス様の可愛いところを見れば、たちまち虜になってしまうことでしょう!」



不安げに目を伏せるヴィサス様にさらに迫る私。



「私が可愛い?ほ、本当に?」


「はい!皆さんもそう思うでしょう?」



自分の可愛さに自信が持てないヴィサス様。


私はすかさず、後ろに控えているスィー様とフロー様とスエロ様に同意を求める。



「そ、そうです!ヴィサス様は可愛いですわ!」


「今までにこんなに可愛らしくて気品のある淑女は見たことありません!」


「自信を持ってください!私たちはヴィサス様の味方です!」



私の意図を察し、援護射撃をしてくれる3人の令嬢たち。



「ほら、皆さんもこう言ってることですし、何も心配はいりません。なんせ、この私たちがついているのですから!」



私を含め、この場にいる全員がヴィサス様に信頼の目を向けている。


それを見て、ヴィサス様は驚きで目を見開くと、真剣な表情になって頷いた。



「皆さん…わかりました。私、諦めないで挑戦してみます!レオン殿下を振り向かせてみせます!」


「それでこそヴィサス様です!それでは行くぞー!」


「「「「「えい、えい、おー!」」」」」



最後は興奮しすぎて淑女らしからぬことをしてしまったと思いますが、そこはご愛嬌ということで。


これで厄介な王族を押し付けられてやったー!とか思っていませんよ。

思っていませんからね。勘違いしないように。

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