緑鬼の王、再び 21
「__あぁ、失礼!そう言えば自己紹介がまだだったな。わたしの名前はプレシ。今後ともよろしく頼むよ!イケオジというのはよくわからんけどな!」
ガッハッハッ!と大きな口を開けて笑う。
「わかりました。これからもよろしくお願いします、プレシ様」
「プレシでいいぞー。その方が、壁を感じなくていいだろう?」
「では、レセプさんと同じように、プレシさんと呼ばせてもらいますね」
「ああ!それで頼むよ!」
再びガッハッハッ!と笑うプレシさん。
雰囲気に違わず、ずいぶんと陽気な人みたいだ。
「__さて、それでなんだが、今日来てもらったのはすでにメッセージで伝えた通り、ゴブリンオーガの巣についてだ」
一瞬で雰囲気が変わった。
さっきまでは陽気で気さくなオジさんだったのに、今では寡黙で冷静な仕事の出来る男みたいな雰囲気をまとっている。
自然と、緊張感が走る。
「……ごくりっ」
イーリスから、つばを飲み込む音がした。
「君たちの報告を受けて我々で調査した結果、君たちが薬草を取っていたところから北に少し歩いたところに洞穴があった。そこにゴブリンオーガの巣があるらしい」
自体は思ったよりも深刻なようで、そこには何十匹ものゴブリンオーガが群れを作っているらしい。
ゴブリンとは群れる種族。
それは高ランクのゴブリンたちでも変わらない。
そして、その群れはいつか、私たち人間が住む村や街に襲いかかるのだ。
「ゴブリンオーガの巣を駆除しなくてはならないのだが、あいにく実力者がほとんど何かしらの依頼ですでに出払っている。そこで、君たち三人にお願いがある」
ずいぶんと真剣な表情だ。
先ほどまでの陽気なオジさんと同一人物とは思えないほど。
プレシさんの言葉に、私たち三人はお互いの顔を見合わせると、小さく頷きあった。
「…お伺いしましょう」
「ありがとう。もう察していると思うが、ゴブリンオーガの巣の駆除を手伝ってもらいたい。もちろん、謝礼は弾む。どうだ?考えてみてくれないか?」
プレシさんのお話を聞くと、このままではゴブリンオーガが数を増やしすぎて、巣を飛び出して街にまで下りてくる可能性が高いらしい。
すでに依頼を受けて外にいる実力者を呼び戻していては、恐らく時間が足りない。
そこで、ゴブリンオーガを五匹も倒した私たちに白羽の矢が立ったのだ。
謝礼の内容はまず、冒険者ランクの飛び級。
本来なら順番に試験を通してゆっくり上がるところを、この依頼を受けてくれるなら一気にCランクにまで上げてくれるとのこと。
ゴブリンオーガが単体で危険度ランクCランク相当の魔物なので、これを討伐できるならそれくらい妥当だろうとのこと。
後はお金だ。
「一匹討伐するごとに、その状態に関わらず一匹につき20万G。さらに依頼が完了したら追加で100万G。どうだ?」
これはやるしかない。
いえ、やらせてください、お願いします。