緑鬼の王、再び 12
「__あー、スッキリしました」
「……これはまた派手にやりましたね…」
五匹のゴブリンオーガが全員仰向けで山のように積み上がっている。
私が倒す度に同じところに落ちるように吹っ飛ばしていたので、そのまま積み上がって今の形になった。
それを見てヴィサス様がまた引いている気がするが気にしない。
というか、ヴィサス様。
私のこと親友とか言うくらいならこれくらい受け止めてくれないとこの先困りますよ。
「さて、これで五匹なので……一気に100万!」
ほんの数時間で100万Gも稼げるなんて、これなら借金もすぐに返せそうだ。
正直、ちょっと物足りない気もするがそこは仕方ない。
こういうことをやっている内に徐々に相手も強くなっていくだろう。
次はゴブリンジェネラルとかと戦ってみたいですね。
ゴブリンオーガで20万Gなら、それより強いゴブリンジェネラルは……とても期待できます。
「__あー、これは……」
そのとき、イーリスが積み上がったゴブリンオーガの山を見て少しバツの悪そうな顔をする。
「ん?どうかしましたか、イーリス」
「…いえ、ちょっと言いにくいことなんですが……」
「なんですか。もったいぶらないで早く教えなさい」
「はい…あの……ゴブリンオーガなんですけど、この状態だと一匹10万Gくらいになるかと……」
「え、そんな馬鹿な…っ!!」
「ちょっと欠損が激しいので……」
どういうことですか!?
確かにちょっと力を込めすぎて頭やら腕やらがなくなってしまいましたが、それでもちゃんと五匹倒しましたよ!?
「キレイな状態じゃないと買取金額は下がってしまうんです。多少の傷ならいいのですが、頭からは牙や目、腕や足からは丈夫な骨などが取れますので、これがなくなるとさすがに買取金額に影響しちゃうんです…」
「え、それじゃあ……」
全部腕やら足やら何かしらがなくなっているので、五匹全部10万Gになるから__
「は、半額の50万G……」
次からは絶対に調子に乗らないようにしよう。
心からそう誓った。