緑鬼の王、再び 6
「__って、そんなことはいいんです!依頼受けましょ!メアリー様!」
「あ、ああ、ちょっと_」
「あ!何してるんですか!」
イーリスは私の両手を掴み、奥の方に引っ張っていく。
そして、それを見たヴィサス様は怒りながら付いてきた。
「_ほら!これが依頼書を貼り出す掲示板_通称リクエストボード!」
ドヤ顔でイーリスが手を向けた先には、いろんな紙が所狭しと貼られた掲示板があった。
その前では、数人の男たちが吟味するように掲示板を睨みつけている。
「ここに貼り出されている依頼書を見て、受けたい依頼があったら貼ってあった依頼書を受付に持っていけば依頼を受けることができますよ。そして、今回初めてであるメアリー様は、先にこっちです!」
「あ、また__」
「ちょっ、待ちなさい!」
そう言って、再び私の両手を引っ張っていくイーリス。
ヴィサス様も慌てて付いてくる。
「__ここが受付です!冒険者組合ではあらゆる事をこの受付を通して行います!今回は初めてなのでまずは冒険者登録からです!」
意気揚々と、受付に向かうイーリス。
「冒険者登録をしたいんだけど、出来る?」
「はい。何名様でしょうか?」
「えっと……」
イーリスがこちらを振り向いて、何やら悩んでいる様子。
そして、一つ頷くと受付の方に向き直って私の方を指差しながらこう言った。
「……アタシとこの人を登録したいのですが__」
「何を言ってるんですか!私も登録しますからね!貴方たちを二人きりになんてさせませんよ!」
「……チッ」
「あ、今舌打ちしましたよ!メアも聞こえましたよね!?」
「はいはい、わかりましたよ。すみません、やっぱりアタシたち三人で登録したいです」
「は、はぁ…少々お待ち下さい」
私たちの茶番(イーリスとヴィサス様)を見て、若干引きながらも対応してくれる受付の人。
仲良いのは十分理解したので、他の人が見てるときくらいは恥ずかしいので普通にしてくれませんかね?




