緑鬼の王、再び 4
「……話が違うではありませんか?」
私は今、黙々と草をむしり取っては、背負った籠の中に入れていた。
そこでふと我に返り、疑問が口をついて出る。
なんで、こんな草むしりなんてすることになったんだっけ?
確か____
あれから学園を飛び出し、イーリスの言う冒険者組合?のところにお金を稼ぎに行ってみた。
冒険者組合は意外と学園に近いところにあり、少し歩いたらすぐに着いたのでちょっとビックリした。
「ここが冒険者組合です。こういうのはゲームと一緒で助かりますねぇ」
外観は木造の2階建てで、屋根が右から左に向かって片流れ屋根の形になっている。
見た感じ結構広く、一軒家が六軒分くらいの大きさがありそうだ。
入口はウエスタンドアになっていて、入口の大きさに対してウエスタンドアは腰の高さくらいで少し小さめに作られており、中の様子が外からでも分かるようになっている。
中は結構ガヤガヤしていて、そこそこ繁盛しているようだ。
「ここが__ってゲーム?それってなんです?」
「いえ、なんでもありませんよー。さぁ、ここを通れば中に入れますよ」
イーリスがウエスタンドアを押して中に入る。
ちなみに、イーリスは学園を出るときにメイド服は脱いで学園の制服を着ている。
メイド服のままだと目立つので着替えてもらったのだ。
イーリス的には、「アタシはすでにご主人様であるメアリー様のメイドなので、メイドの業務中はメイド服が良いのでは?」と言っていたが断固反対した。
あれは、イーリスの趣味が多分に盛り込まれた特注品のメイド服なので、目立ちに目立ちまくることは目に見えている。
そもそも、メイド服でミニスカートってなんですか?
裾がレース?とやらでヒラヒラしていて、丈も太ももの半分くらいの高さしかありませんし、あんなの屈んだら下着が丸見えではありませんか。
この間なんか、床に物を落として拾おうとしたときにイーリスの形の良いヒップが丸見えに__ってそんなことはどうでもいいです。
とにかく、あんな破廉恥な服、作るときから反対したのですが、イーリスが、「自分の好きな格好をすると、気合が入ってメイドとして頑張れると思うんです!どうかよろしくお願いします!」と何度も熱弁するので、最終的に根負けしてしまいました。
しかし、外に出るとなると話は別。
着替えないのなら置いて行くと伝えると、しぶしぶ着替えてくれました。
破廉恥を外で晒したらダメ、絶対。