緑鬼の王、再び 3
「はぁ、もういいです。そんなことよりも……」
そうです。
私にはもっと大事なことがあります。
「借金……どうしましょう…」
私には大量の借金があります。
幸い、今はレオン殿下に肩代わりしてもらって事なきを得てはいますが、このままの状態ではいけません。
出来るだけ早く返す目処を立てないと。
「そもそも、お父様もお父様です」
修繕費がかかると言われて、学生である私の手元にお金があるはずもなく、なくなくお父様_つまりフェリシテ公爵に手紙を出しました。
すると、その日の内に返事が返ってきて、中身は「フェリシテ家は、代々お金は自身の手で稼ぐと決まっているのだ。なので、借金は自分で頑張って返してちょ」。
…………次会ったときは殴り飛ばしてあげましょう。
という訳で、なんとか自身の力でお金を稼がなくてはいけなくなってしまいました。
さて、どうしたものか__
「あ!メアリー様!アタシにいい考えがあります!」
そのとき、イーリスが閃いたとばかりに勢いよく手を挙げる。
「お金を稼ぐなら手っ取り早いのがありますよ!」
「ほぅ、それはどのような?」
「ずばり!冒険者組合です!」
「……冒険者組合?」
「え?知らないんですか?」
すごく驚いた表情をしているイーリス。
なんですか、知らないと何かおかしいんですか?
「いや、メアリー様は生粋のお嬢様。知らないのも無理ないですね。はい、ご説明します」
なんだか知らないが、勝手に納得して説明を始めた。
普段は単純でちょっと_いやかなり抜けているところもありますが、こういう時には役に立ちますね。
うんうん。
「……なんだか馬鹿にされている気がしますが…まあいいです。冒険者組合はですね__」
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「__つまりその冒険者組合という場所では、毎日依頼書が掲示板に張り出され、それを解決することで依頼書ごとに決められた報酬が貰える、ということですね?」
「概ねそのような感じです。他にも、冒険者ランクというのもあり、冒険者組合に認められるとランクが上昇してより報酬が高い依頼を受けることも出来るようになりますよ。その分、危険度も高いですけど」
なるほど。
そこで高報酬の依頼を受けて解決すれば、手っ取り早く稼げると、そう言いたい訳ですね。
「よくわかりました。今日は学園もお休みですし、早速行ってみましょう」