私に付きまとわないでください 2
「ねぇ、貴方。最近調子に乗ってませんこと?」
「レオン殿下に話しかけてもらってるからって、好意を持たれてるって勘違いしてません?」
「レオン殿下はお優しい。つまり無色の貴方が一人ぼっちで可哀想だから話しかけてるだけで、そんなことも分からないのですか?」
なんだか、この感じ前にも覚えがある。
というか、ほぼ一緒では?
そしてやっぱり、面倒事に巻き込まれた。
目の前には四人の令嬢がいて、その中の3人が私に向かって何か言っている。
そして、態度が偉そうなやつが1人、扇子で口元を隠しながら二歩分後ろにいて、それぞれが私に鋭い視線を浴びせてくる。
話しかけてくるのはあっちで、私は何もしてないのに勝手に勘違いしてこんな風に呼び出されるなんて溜まったものではない。
やはり、王族とは関わらないほうがいいのだ。
とりあえず…
「私の話を聞いてくれません?私は決してレオン殿下とお近づきになろうとか__」
「黙りなさい!言い訳は結構です。もしこれ以上レオン殿下に近づこうとしたら、ただじゃ起きませんことよ」
「ええ。そもそも無色ごときが私達と対等に振る舞おうだなんて、それこそおこがましいというものですわ」
「普通なら自らの立場を弁え、身を引くのが当然のこと。ましてや無色がレオン殿下に相応しいはずありません」
私の話を遮り、三人の令嬢が私に向かって好き勝手にのたまう。
なんだか、イライラしてきたな…
「…つまり、話し合いはしないと?」
「話し合い?貴方は黙って私達の言うことを聞いていればいいのです」
「その通りですわ!」
「わかったら、許しを請いなさい。そうすれば、私達の傘下に加えることも考えます」
ドヤ顔で許しを請え、傘下に加えてやるとか言ってる。
喋るのは前にいる三人だけで、後ろにいる令嬢は相変わらず扇子で口元を見えないようにしながら、私達のやり取りを眺めている。
…それにしても、なんでこいつらはこんなに偉そうなんです?
そもそも、こいつら私より爵位下だったような?
目の前に並んでいる三人は、左からエーン侯爵家の長女、スィー・エーン侯爵令嬢。
肩にかかるくらいのセミロングの綺麗なみ空色の髪に綺麗なみ空色の瞳をした、可愛らしい顔をした方だ。
身長は平均的なサイズ。胸は少しだが確実に制服を押し上げるほどのサイズで、腰もキュッとくびれてスタイルもいい。
真ん中がフィーア伯爵家の次女、フロー・フィーア伯爵令嬢。
腰までの長さもある透き通った若葉色の髪に、同じく若葉色の瞳をした、可愛いというより綺麗めな顔をした方だ。
身長は少し低め。だが、それを補って余りある大きな胸は制服の作りと相まってものすごく目を引く。それなのに腰回りはそれなりに細く、大きなお尻は色気があり、如何にも抱きしめ心地が良さそうだ。
右がセカン伯爵家の長女、スエロ・セカン伯爵令嬢。
少しカールがかかったボブカットの綺麗な黄褐色の髪、瞳も同じ綺麗な黄褐色で顔はまるで王子様みたいに整っている。
身長は少し高め。胸はそんなに大きくないがスタイルの良さは抜群で、スラリとした長い脚は見る者を魅了する。
ちなみに、スィー様とスエロ様は、この前私が殴り倒したミリタリー様とモーブ様のご兄妹です。