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私に付きまとわないでください

「メアリー嬢」


「ごきげんよう、レオン殿下。どうなされましたか?」



ここはウィーリング学園の廊下。


授業が終わり、教室を出たところでレオン殿下に呼び止められたのだ。



「なに、この前の返事を聞きたいと思ってな」


「お言葉ですが殿下。そのお話はお断りしたはずです」



お話とはつい先日のこと。


三人の男たちをぶっ飛ばし…静かになって頂いたとき、殿下に婚約者にならないかと誘われたのですが、さすがに分不相応だと思い、お断りさせてもらいました。


しかし、何故かレオン殿下は諦めず、こうして私の元に訪れては勧誘してきます。



「なに、慌てることはない。時間が経てば意見が変わることはよくある。だからこうして聞きに来たんだ」


「…レオン殿下。私は()()()()()()()ですよ?そんな私は、レオン殿下と釣り合う訳もありません。どうかお考え直しください」


「何を言っているんだ?無色とか関係なくメアリー嬢は強いではないか?」


「…とにかく、このお話は私には荷が重すぎますのでお断りします。レオン殿下には、もっと相応しい方がいらっしゃるはずです」



強いとか弱いとか関係ない。


というか、そもそも結婚したくない。


婚約者になれば否が応でも王位争いに巻き込まれる。


私は、そんなの絶対に御免だ。



「…そうか、押し付け過ぎもダメだからな。今回は引き下がろう。次はよろしく頼む」



どうやら、まだ諦めていないようだ。


というか、こんなにしつこい時点で押し付けも何もあったものではない。


相手が第二王子でなければ、一発やっていたかもしれない。


私は表情に出ないように、心のなかでため息をついた。



「レオン殿下。これからはこういうお話をするときは人目の少ないところでお願いします。廊下などでは注目を集めすぎてしまいますので」



無色の公爵令嬢と第二王子が一緒に長話をしていれば、どうしてもいらぬ誤解を与えかねない。


特に無色である私なんかと仲良くしていては、第二王子の評判にも関わってくるだろう。


そうなれば、私にとってもレオン殿下にとっても良いことは何も無い。


そして何よりも、私が王族と関係があると思われたくない。

絶対、面倒事に巻き込まれる。

これは絶対だ。



「おー、なるほど。つまり二人きりで話したいということか?」


「え?いえ、そういうわけでは__」


「いいだろう。次からは個室を用意しておくからそこに来てくれ。それじゃあ」


「あ、ちょっ__」



盛大に勘違いした上に、呼び止める間も無くさっさとどこかに行ってしまった。



「………はぁ、もういいです…もしものときは一発やりましょう」



あまりにも上手くいかなさすぎて思わずため息をつく。

そして、もし一発やるとしたらその後どうなるか一時間ほど真剣に考えた。

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