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群青の国のアリス  作者: ラナ
第四章   姫を陥すのは
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分かってるなら ―所詮、そういう関係だから―

「てゆーかありす、お城戻んなくていいの? 黒うさぎが待ってるんじゃない?」

「なんで?」

「なんでって……ずいぶんな言い方だね」

「その小馬鹿にしたような言い方もどうかと思うわ……!」

「まぁ、それはいいじゃん」

 色々引っかかるけど、とりあえずスルーしよう。


「星祭り、あいつと行くんじゃないの? ちゃんと約束した?」

「あー……なんていうか、さ、誘えなかったんだよね……」

 うわ、ロストの白い視線がものすごく痛い!

「私なりに頑張ったんだよ!」

「ありすが誘うというより、そこは黒うさぎが誘うところなんじゃ……」

「え、そうなの?」

「だって、基本誘うのは男の見せ場ってもんじゃん?」

「……そうなの……?」

「そんな疑いの目で見ちゃいやん!」


 本当、食えないキャラだな……!


「ほら、“時計兎”は“アリス”が大好きだからさ」

「え?」





 なんだろう、この感じ。







     “時計兎”


       は


     “アリス”


       が


      大好き





「……っ」

「だから、早く戻ったほうがいいと思うよ?」






 そうだ。あの人も同じことを言っていた。





 私から大事な人を奪った、憎い憎いあの人――――








『あなたと私は“ふたり”でひとつ。


 あなたを傷つけるかもしれない男になんか、渡さないわ』








「ありす?」

「ごめん、なんでもない」

「あは、あいつは意気地なしだから、もうありすが頑張るしかないかもね」

「うん、頑張る……」







 聞いてから後悔したって、遅いんだ。






    *・*・*・*・*





 お城に戻ると、1つの部屋から話し声が聞こえた。

 入ったことのない部屋だけど、聞こえる声は聞きなれたもの。


 シルバとジーナだ。






『こっちの方が似合うと思うけど……』


『私はこの色の方が好きだが』


『……じゃあそっちにするか』


『それにしたいんじゃなかったのか?』


『いや、ジーナの意見を聞くのが一番だと思ったから』








 開けようとドアノブにかけた手は、動かないまま。



 ロスト。



 あなたって本当、何者なんだろう?



 まるで、エスパーみたい。



 だけどあなたは、私を突き落とすばっかりだね。





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