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Overture -Alice in Ultramarineblueland-
「ふあー、眠ぅ……」
それは春の昼下がり。日差しはとても暖かくて、気を抜いたら歩きながら眠ってしまいそうなほどの陽気。だから、気づかなかったんだ。
歩いていたはずのアスファルトの道が、白とうす黄色のやたら明るい石畳に変わっていたこと。
横を流れていたはずのドブ川が、川底まで透けた水の流れる綺麗な水路に変わっていたこと。
気づいた時には、遅かった。
私はもう、「そこ」にいた。
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ねえ。
私を呼んだのは――――誰?