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ポチと陽葵  作者: 黒楓
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第二部 不都合な子供たち  ⑰ 恋・愛

 私がグイグイ圧していったので、廊下に横たわったマーちゃんに私が覆い被さる感じで……私たちは抱き合っていた。


 マーちゃんはきっと、私が落ち着くようにと頭を撫でてくれていたのだろうけど……

 マーちゃんの手が髪に触れるたびに私の胸はキューン!と締め付けられ……

 その甘く切ない気持ちが涙と一緒に溢れて出てしまって……私はマーちゃんのくちびるをついばんでキスをせがんだ。


 その繰り返しの後……深いキスで溶けてしまった私の耳元で

 マーちゃんは「あっ!」と小さく声を上げた。

 頬でウリウリしながらマーちゃんの顔を窺うと

 何かを凝視していたマーちゃんは私に視線を戻し、囁いた。


「天井にススが付いてる。掃除しなきゃね!陽葵!起きるよ!」


 そう言って“私ごと”身を起こしたマーちゃんは私のお尻をパンッ!と叩いた。



 それからのマーちゃんはクルクル働いた。


 もちろん私もお手伝いしたけれど、マーちゃんの部屋の……毛布やシーツや布団カバーなど一切合切を洗濯しながら廊下の天井掃除と床拭き。マーちゃんのお部屋と私のお部屋の掃除。それから二人で過ごすためのディナーの準備を二人でして……


 ちょっとおしゃれに着飾って

 エッフェル塔の絵柄のノンアルコールスパークリングワインで乾杯した。



 そして今……


 マーちゃんのお部屋の……

 マーちゃんのお布団の中に

 ふたり一緒に居る。


 たぶん休みなしで動き回っていたマーちゃんは


 今は私の耳元で

 軽く寝息を立てている。


 今日のお昼

 マーちゃんに大人のキスを……

 初めて受け入れてもらえた時


 舌から脳みそ……そして全身へと……痺れる様に熱い嵐が吹き抜け、私を溶かした。


 亜季ちゃんから見せてもらった電子書籍のマンガで見知っているつもりだったけど……“大人のキス”がこんなにも凄いとは思わなかった。


 だとしたら


 男の人と

 女の人が

 本当に繋がったら……


 どれほどなんだろう……


 考えると


 恐ろしくなってしまう。


 安岡くんとカレのお母さんも……

 ()()()取り込まれてしまったのだろうか……


 少しでも考えてしまうと

 胸が焼け焦げてしまうのだけど


 マーちゃんも……

 お父さんとはそうなんだろうか……


 寝息でわずかに開いたマーちゃんのくちびる……

 伸ばし掛けた指を引っ込めて

 代わりに舌先でなぞった。


 薄っすら目を開けたマーちゃんが

 私の髪に指を挿し入れてくれたので

 私は舌を挿し入れて


 私たちはまた熱く絡み合った。


 マーちゃんの瞳に

 星がキラキラしているのが見える。

 このタイミングで告白しよう!!


「マーちゃん! 私、マーちゃんの事、この世で一番好き。大好き だから……」

 言い掛けたのに


 熱く……舌で塞がれた。


 物凄い幸福感の甘いミルクに切なさの苦いエスプレッソを垂らされた様に……逆マーブルの心持ちに襲われた私は溶かされながら泣いていた。


 涙に濡れた目を凝らすと

 マーちゃんもまつげにキラキラ涙を溜めていた。


「大丈夫、私も陽葵がこの世で一番だから……いつまでもいつまでも一番だから」


 その言葉に偽りなど微塵も無いように……マーちゃんは私を熱く温かく包んでくれた。





 。。。。。




 イラストです。



 髪を下ろして大人っぽい横顔の陽葵ちゃん



挿絵(By みてみん)



思春期の入口に立つか立たないかくらいの……年端もいかない陽葵にこんな思いをさせるのは虐待!

私、黒楓も伊麻利さんも……それは分かってはいるのですが……ごめんなさいとか言えないのです<m(__)m>



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