第二部 不都合な子供たち ⑮ “母”の思惑
今回は完全新作部分です。
<今回は安岡くんの母親である安岡梓の独白です>
優しいお兄ちゃんは私に色々な事を教えてくれた。
それは勉強だけに留まらず世の理や男の事、そして女の事も……
だから私は身も心もお兄ちゃんに染められ、無上の幸福を味わった。
でも生木は裂かれる運命であり、掃われ棄てられた私の……空虚になった両腕に抱かれたお腹は自分の腕の冷たさを感じるだけだった。
「でも!それでも!!何とかしなければ!! 私は全てを失ってしまう……」
凍える身と心に無理やり火を入れて見つけ出した“最適解”が夫だった。
でも私は見誤っていた。
夫がこんなにも薄っぺらで下品なヤツだったとは……
夫に対し早々に愛想をつかした私は、その下品さに染まるフリをして、新居となった2DKのアパートで、たった一つ残された宝を……隆一を産んだ。
「この子の成長に合わせてこの子に見合う夫に育てなければ!」と屈辱に耐え、夫を『外に出しても少しはまともに見える男』へ育てようとした頃……無理やり迫られて大翔ができた。
大翔は隆一より私の賢さを受け継いだけれど、同時に夫の意地汚さと下品さをも受け継いでしまった。
それどころか私から受け継いだ賢さが、下品な意地汚さを増長させている。
だから私は……大翔にもう一度おっぱいをあげる気にはなれない。
隆一は美しい子!
この美しい子に私の賢さがあればどんなにか良かったのだろう!
と言うより……
私は“私”を産みたかったのだ!
“お兄ちゃんの器”を使って……
家族会議で隆一の摘果が決定した後、私は“私”を産み出す事を決意した。
そして隆一への一塊の感情を涙できれいさっぱりと流して、私の心の中の……お兄ちゃんへの慕情をあぶり出した。
こうして私は“少女”へ還り、私は私の全ての欲求でもって隆一を取り込んだ。
お兄ちゃんの面影の中へ
今度は間違いなく確かな
私を構築していく。
女が成し得る神としての鉈を振るい、命の奇跡を身の内に結実させる。
自分の体と最も相性の合う……淫らな香りのシナモンとねっとりとしたアイシングを施した甘美な“行為”で……私は限りない恍惚に満たされる。
隆一は優しさに裏打ちされた賢さは持ち合わせている子供だったから……私の身の内へ取り込むたびに、今の体はセミの抜け殻の様に徐々に希薄になって消えて行ってくれるのでしょう。
そう!
それが楽にできる様に
お母さんがしっかり
育ててあげるからね。
。。。。。
イラストです。
母、安岡梓
表現を抑える為に傍点やルビを多用してしまい申し訳ございません<m(__)m>
この女を頭の中に描き出してアウトプットするのは苦しく、まだ十分にできておりません。
こんな女は大嫌いです!!
でも天使みたいな顔してるんですよね! 愚妹はうまく描けてはおりませんが……(-_-;)
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