第二部 不都合な子供たち ⑧ おんな・母・オンナ Ⅱ
今回は短めです!
二人とも目の前のコーヒーにまったく手を付けないまま……
安岡くんが自ら死を選んだ事。
そこへ至るまでの……彼が書き残した経緯。
『摘果・摘蕾』
『だまし討ち』
『不都合な存在』
『母親との“禁忌な関係性”』
そして昨日、お悔みでお邪魔した時の“彼の母親の言動”……
“紺野”里佳ちゃんには、ここまで話した。
里佳ちゃんはその大きな目をずっと見開いたままだったが……
我慢できず、私の話を途中で止めたその手を両目に当てても……涙を全然止められなくて、
ハンカチで抑えた。
「マーちゃんが引っ掛かっていて……不安に思っている事……私にも分かる気がする……でも……」
里佳ちゃんがどんどんグシャグシャになって来るので、私はポケットティッシュを取り出してカノジョに握らせた。
「……ゴメンね。色々思い出して……溢れちゃった。 ちょっと 鼻かむね。 アハハハ意味わかんないよね。 んっと! 私の……話をするね」
里佳ちゃんが、ようやくコーヒーカップに指を掛けたので、私もソーサーからカップを持ち上げた。
一口飲んだカップを両手で包んだ里佳ちゃんは静かにため息をつき、
少し遠い目で話し始めた。
「前に話した……『幸せのフリ』と『しばらくお付き合いしていた人が居た』って事。覚えている? 私ね!私……」
そう言いながら、またポケットティッシュで涙を抑える里佳ちゃん……
ひょっとして私は……カノジョにとんでもない事をしてしまったのだろうか??
「あの、私!ゴメン……」
謝る私の左手を、頭を振りながら握った里佳ちゃんは言葉を継ぐ。
「いいの! これは私の“罪”の話だから……私ね、海斗を『不都合な子供』と思った事があるの……」
気持ちの行き場でなんとなくカップに伸ばしていた私の右手は、その言葉に凍り付いた。
「里佳ちゃんがあんなにも愛して止まない……そう、私だって大好きな海斗くんが『不都合な子供』???」
私の心の声が丸聞こえであるかの様に里佳ちゃんは頷いた。
「信じられないよね……でも、海斗が出来た時はそう思ったの。ちょうど私が生涯で一番大切に想う恋をしていた時だったから……」
彼女は一つ一つを……大切な宝物を小箱から取り出すように話し始めた。
続きは今日中にUPいたします(*^^)v




