目が覚めると友人たちの死体が転がっていた~本当にあったちょっといい話~
目が覚めるとそこには友人たちの死体が転がっていた。
明治時代。
ある学校での話。
通りすぎた瞬間、雪乃はまた腹部を殴られた。
また、いじめっ子のしわざだ。
反応したくないなのに反応してしまう。
「ちょっと!」
「なんだよ?」
にらみ合いは短く、殴り合いが始まる。
「授業中です、静かにしなさい!」
先生の声が2人に届くはずはない。
遂には先生に殴られて強制的にケンカは終了。
廊下に立たされた。
そんな中、一泊二日の旅行が行われた。
観光地を見物して、味のある旅館に一泊。
雪乃が目を覚ますとそこには友人たちの姿がない。
もちろん、いじめっ子の姿も。
慌てて探しだす雪乃。
すると廊下や階段に友人たちの死体が転がっていた。
パニックになる。
すると、一人がムクッと起き上がった。
え?
生きてる?
雪乃は慌ててみんなを起こしだす。
すると、全員目を覚ました。
しかし、みんな異常なほどにボーッとしている。
先生がお医者様を呼んだ。
みんな命に別状はないものの安静にしていなさいとのことだった。
その事を知った旅館の主人がもう一泊泊まっていきなさいと言った。
学校側はその言葉に甘えることにした。
しかし、みんな動けないほどにボーッとしている。
どこかに出かけることもなく夜がやってきた。
美喜子を挟んでいじめっ子のそばに仕方なく寝る雪乃。
いじめっ子が美喜子に小声で話しかける。
その言葉がそっくり雪乃に送られてきた。
「俺とマラソンしたら、勝てるか?」
雪乃は足が速かった。
「勝てるわけないじゃん、男子に」
雪乃はなぜか恥ずかしそうに答えた。
珍しくもいじめっ子に気を遣ったのだ。
その夜、花火が上がった。
元気になったみんなで楽しんだ。
次の日、旅館に男がやってきた。
「こっちは娘の結婚式なんだぞ!
それを急に子供らが泊まってるからできないとはなんだ!」
今日、この旅館で結婚式が行われる予定だったのだ。
しかし、旅館の主人が雪乃たちを優先したらしい。
雪乃が男の前に行った。
「申し訳ございません、私のせいなんです」
実は雪乃はいじめのせいで精神を病んでいた。
そのため薬を服用していた。
それを見つけたいじめっ子がラムネと勘違いして、みんなを誘い食べたのだ。
この旅行はおかし禁止だったから、雪乃だけが持ってきてるのが気にくわなかったのだ。
その事を男に説明した。
「いや、僕が悪いんです」
話を盗み聞きしていたいじめっ子が出てきた。
「いや、私が悪いんです」
いじめっ子を庇う雪乃。
「貴様、名は?」
「宮城雪乃と申します」
「宮城?
この辺で宮城と言えば学校の先生しかおらんじゃろ?」
「その、娘です」
雪乃が答えると男はため息をついた。
そこに、宮城先生が来た。
「もし、よろしければ私たちが結婚式に花を添えてもよろしいでしょうか?
邪魔なら帰ります」
男は少し悩んで、答えた。
「ぜひ、娘の結婚式に参加して欲しい」
その日、雪乃たちは結婚式で歌を披露した。
結婚式は子供たちのおかげで賑やかに行われ、そんな雰囲気に新郎新婦は満足したのだった。