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夏なのですって

作者: 秋葉竹



よく晴れて

風の無い日は

気温が高くなるという意味を知った朝のこと

いつまでも中空を舞いながら

夏色の真実として神さまに植えられている

緑の覆う野山の草花の繁栄を

このかたくなで余裕のない

斬られるような目でみたのです


地面のアスファルトや

ビルのコンクリート

エアコンの室外機

すべては快適なにんげんのせいかつのため

食うか食われるかの歴史の果てに

手に入れたヒートアイランド現象

なのですって


地球流外道破滅神仏顕現南北十字架拳

で如何に悲しみをとどめようと闘っても

流される人の原罪の残穢が我慢を強いる


のですって?


その轟々たる悲痛な叫びの渦巻き銀河が

生きていたいマテリアルを空虚に堕とす


のですって?


いっせーのー、で

宙を

跳ぼうとするいつぽんの闇の道で鳴く

種の繁栄を告げる歌声としての黎明の虫たち

全てを撫で斬る大鎌を持った無垢なる死神の

外套の内にて夏の朝を走り抜ける

極彩色の始発電車の振動を波のように感じる

それゆえにか沸き起こるバンザイ、私たちは

生きさせてもらっているのですね


ではここで

聴こえにくい未来にための戯言をひとつ

熱中症を防ぐのには

ひたすら充電のためみたいに

透明な罪さえ持たない無謬な水を

上を向いて飲むのが良い

訳ではなくて

悲しい涙の紡ぎ出す

塩分の補給もしなくてはならないの

ですって







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