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『醒めない夢』  作者: 設楽理沙


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16/82

『醒めない夢』16


16.

~深山康文と果歩の結婚生活 ⑬


    

 反省?



 反省という言葉はないンだな?


 反省という言葉を持たぬ俺様な夫は言い放つ。




「どうしてこんなことしたの?

 クビだよ? 俺。

 どんな思いで入った会社だと思ってンの。

 ただの遊びなんだからさぁ、俺の気持ちが落ち着くまで

待ってくれりゃあよかったんだよ。

 飽きたら、止めたのに……」




 はぁー!!!


 呆れるばかりの言葉の羅列に果歩は…顎がガクッと

外れそうになった。



 単身赴任前の……

 若い女子()との遊びを知る前の……

 私の知ってる真っ当な人間だったはずの夫は

どこへ行ってしまったのだろう。


 今私の目の前にいる男は一体誰なのだろう。


 若い肉体に溺れている最中の男性は、もう妻の知っている

夫ではなくなると某websiteに書かれてあったのだけれど

シタラリ期とでも言うのだろう、まさしく今の夫がそれだった。


          ◇ ◇ ◇ ◇


 女と引き離されて日本に帰って来た夫は会社もクビになり

次の会社を捜す羽目になった。



 会社は勿論のこと、私の両親や自分の両親にまでも私の直訴で

浮気が知られてしまい、自業自得とはいえどこにも身の置き所の

ない状況になっている。


 そんな夫はすこぶる私に冷たい。

 家に居ても最小限の会話しかしてこない。




 つらい。

 すごく辛くて精神的にキツい。


 だけど、それでも女との関係が続くよりはずっとマシだ。



 私にやさしくしてくれて、私を大切に想ってくれていた夫が

恋しくてたまらなかった。


 私は夜になるとめそめそ泣く日が続いた。


 なのに、そんなに悲しくて悔しいのに不思議と離婚の二文字は

浮かばなかった。




 しばらくすると、あんなにイライラ感が半端なかった夫の

雰囲気がある日を堺にガラっと変わった。


 相変わらず会話は少なかったけれど。



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