表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『醒めない夢』  作者: 設楽理沙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/82

『醒めない夢』12

12.


~深山康文と果歩の結婚生活 ⑨


     凸(突撃)



 どこまで信用していいのか分からないけど、せめて夫の暮らす部屋から

女の影が消えていたら、私のことを少しでも気遣う気持ちがあれば

最低限連れ込むことは止めてくれるはず……と

そういう想いを膨らまし始めると私はいてもたってもいられなくなった。



          ◇ ◇ ◇ ◇



 そして母に娘を預け再度夫の暮らす彼の地へと向かった。

 今回は合鍵がある。


 ドアの前で私は深呼吸した。




 夫がまだ相手を家に入れて現地妻扱いしているとしたら

鉢合わせの可能性もある訳で……私は少し緊張した。



 ドアノブに手を掛けてみる。

 よしっ、鍵は閉まってる。


 留守の可能性が高くなった。

 鍵を差し込んでみる。



 開いた。

 

 玄関で中の様子を探りながら部屋に入る。


 人の気配がないことを確認してほっとした。

 私は空港周辺で買った缶コーヒーを開けた。


 旅の疲れを癒した後、部屋の探索に乗り出した。

 まず風呂場。



 浮気を突きつけられてるんだから普通ならあるはずないと思うのだけど、やっぱり排水溝には流しきれなかった長い髪の毛があった。


 それを見て眩暈がした。


 もう探索しなくてもいいかなぁ~これで証拠充分だもんね。


 またそれらの証拠を画像に撮った。



-




 そして寝室に入ってみると、以前来た時には見なかった

派手なタンクトップとショートパンツが散乱してた。


 嫌だったけどゴミ箱を覗いてみる。


 昨日か一昨日か、確実にやったと思われるブツがすぐに

分かる形でそのまんま放棄されている。


 だらしのない女とだらしのない男。

 

 

 夫は今まで避妊具を捨てる時、ビニール袋に入れるか

紙に包んで捨てていた。



 異国に来て奔放になったのだろう。

 放蕩の限りをつくしているのだ。



 時間のある時に合う浮気とは違う。

 夫婦のように毎日抱き合って寝ているンだ。


 吐き気がした。


 ここにきて、がっつり〆る為に本当に興信所に依頼することを

私は決心した。


 そして動かぬ証拠を掴む。



 今持っている画像だけでも結構な証拠にはなるけれど

如何せん、夫と女のツーショットが撮れていない。


          ◇ ◇ ◇ ◇


 私は彼らに挑む決意を胸に、自分の気配を消して日本に帰った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ