71 つよつよミミックの断罪
オレ様はハコザキに言われて箱のフリをしている。
そして今回はハコザキがオレ様の台車を押す形でダンジョンの中を移動中だ。
エスペランサが今回はオレ様のエサを誘導しているみたいだが、オレ様は箱のフリをしているので今は手が出せない。
今はまだピザも食ってないのでそろそろ腹が減って来た。
とりあえずエサを食う前にはピザを我慢した方がバリバリ食える事に気がついたので、こうしているわけだ。
まあアルカとハコザキはオレ様のおかげでレベル上がったからわかるが、モンスターどもがエスペランサを恐れて出てこようとしない……。
だからオレ様達はモンスターに遭遇する事なくショートカットルートで地下八階まで楽に到着できた。
今回のエサはホストクラブとやらにいたクソホストってハコザキのヤツが言ってたが、確かにコイツの言い方、鬱陶しくて腹が立つな。
まあ良い、オレ様はしばらく箱のフリをして黙っているだけだ。
コイツを食うタイミングになったらハコザキが魔力通話でオレ様に伝えてくる手筈になっている。
さて、オレ様達は前回イケメンボウケンカとやらからメスどもを助けてやった部屋に到着した。
そろそろか、ハコザキ。
『もう良いですよ、コイツの顔を思いっきり殴ってください!』
ハコザキからコイツを食って良いと指示が出た!
さて、それじゃあ殺ってやるか!
オレ様は口を開き、舌でクソホストの顔を殴り飛ばした。
「ぐべらっ!?」
オレ様に殴り飛ばされたクソホストは壁に張り飛ばされ、激突し、壁にコイツの血がついた。
うーん、コイツの血、いまいち美味くないな。
まあいい、少し食事を我慢してたから食えない事はない。
「は……はひをふるんは……?」
エスペランサがニコニコしている。
「ごめんなさい、貴方にはここで死んでもらう事になるのですわ。貴方に苦しめられた女の子のお母様から頼まれてましたから……」
「は……はんだほ?? ほれをだはひたのは!?」
「今頃気がついたのか? クソホスト、スエズ戸塚、いや……鈴江和翔。お前に苦しめられて食い物にされた女の子達に代わって私がお前を断罪する!」
「た……。たれは? おはへは??」
ハコザキのヤツ、また変な仮面をかぶって何かを言ってるな。
アルカはそれを透明化したままデジカメとやらでハイシンしてドーガを作っているようだ。
オレ様に顔を殴り飛ばされたクソホストは、顔面が潰れ、まともに声も出せないようだ。
「ホストは顔が命なんだったけ。それじゃあ顔を潰された今のお前には存在価値はないって事だな。まあその性格だと元から生きている価値なんてお前には無いけどな!!」
「ふぉ……ふぉんな。たすへへ……ふだはい……」
クソホストが命乞いをしている。
さて、どうしたものか。
当然助けてやるつもりはない。
どうするかとは、どのように痛めつけてやるかという事だ。
ハコザキが言うにはこういうやつをすぐ殺すのではなく、徹底的に痛めつけるとドーガのシチョーシャが喜ぶらしい。
意味はよくわからんが、コレをやればピザを食わせてくれるらしいので従っておくとしよう。
さて、ハコザキが言うには顔を徹底的に痛めつけてほしいとの話だ。
それじゃあ持ち上げで顔面から叩き落とすか。
オレ様はクソホストの足を舌で絡め、顔面から地面にたたきつけてやった。
「ぐぺっ!!」
クソホストの顔が砕けた。
どうにかかろうじて息をしている状態だ。
「やは……はふけへ……ひひはくはい……」
どうやらもうまともに言葉すら出ないようだな。
だがオレ様はもう一度腕を舌で絡め取り、また顔から地面に叩きつけた。
「ぎゃぺっっ!!」
何度も地面に叩きつけられたクソホストはもう虫の息だ。
「さあ、ついに顔を武器に女の子を騙し続けたクソホスト、鈴江和翔の最後です!」
ハコザキから合図が出た。
それじゃあ仕上げと行くか!
オレ様は舌でこのクソホストを放り投げ、口で待ち構えて一気に噛み砕いて平らげた。