70 つよつよミミックの探索(エスペランサ視点)
わたくしが目を覚ますと、そこはお家のベッドの上でした。
なんだか頭が痛いです、それに少し気持ち悪い……。
わたくし、昨日の夜は確かハコザキ様にホストクラブに行くように言われましたが、その後のことは何も覚えて無いのですわ。
しかし何か身体のあちこちが痛いですわ……。
特に誰かに殴られた覚えもありませんが。
わたくしが目を覚ますと、ハコザキ様とアルカ様がぐったりした様子でした。
ボックス様は相変わらず箱の中から出てこようとしませんわ。
まあわたくしも、身体が痛いのと頭が痛いので、もう少し寝させていただきます。
その日の夕方、ようやく動けるようになったわたくしは、昨日の話をハコザキ様に聞いてみる事にしました。
ですが、ハコザキ様はわたくしが単に酔っ払ってそれを連れてくるのが大変だったとおっしゃってましたわ、
でもこのままでは悪い気がしますわ……。
「ハコザキ様、わたくし何かできることありましたらお手伝い致しますわ」
「大丈夫だよ、その時になったら言うから」
その時、とは?
ハコザキ様は何か考えがあるようですわね。
ハコザキ様は何かパソコンを見て喜んでいるようでした。
「テレビ見てみて!」
ボックス様が見ていたテレビには、最新のニュースが流れていました。
「本日、都内のホストクラブゴージャスに家宅捜索が入りました。警察は脱税と未成年略取の疑いで副店長を逮捕しましたが、店長は行方をくらましたようです」
ここって、昨日わたくし達が行った店ですわね。
一体何があったのかしら……?
ハコザキ様は誰かと連絡しているようでした。
「それじゃあこの間の首飾り、一度写真撮らせてもらえます? あ、画像送ってもらう形でも大丈夫です」
一体誰とお話しされているのでしょうか?
少ししてハコザキ様がわたくし達全員に声をかけました。
「やった、アイツ目先のエサに食いついた! コレでダンジョンに行ってあのホストを始末できるぞ!」
どうやらハコザキ様は何か作戦があるみたいですわね。
「エスペランサさん、貴女は先日は申し訳ありませんでしたと言って、アイツをダンジョンに連れて行ってくれ。ボクはその付き人という形で徹するから」
「わ、わかりましたわ」
「アルカちゃんは透明化したまま、デジカメで動画をお願いするね」
「わかったわよぉ。その代わりゲームとお菓子後でお願いね!」
どうやらハコザキ様はコレからダンジョンに向かうようですわね。
それで、わたくしは昨日の事を謝る形でそのホストさんを連れて行くのですか。
「ボックス様は宝を入れる箱のふりをしてそのまま黙っててもらえますか? ホストを殺るタイミングは魔力通話でお伝えします」
「わかった、まあオレ様に任せろ」
コレで全員の作戦が決まったようですわ。
それで、わたくしそんなにホストさんに謝るほどの迷惑行為を行ったのですか? 記憶が無いので全然覚えてないのですが……。
わたくし達は今いるお家から東京ダンジョンに向かいました。
その入り口にはホストさんと思わしき方がおられました。
「あの、先日は申し訳ありません。わたくしにできるお詫びでしたら……なんでも致しますわ」
「チッ、本来なら風俗に落としてやりたいとこだが、それじゃすぐに金が工面できない。お前の言ってた事は本当だろうな?
あの首飾りが数億円だとして、それに匹敵するお宝をこの中の隠し部屋に閉まってるって話!!」
「はい。本当ですわ、それを先日のお詫びとして差し上げます」
わたくしはハコザキ様に教えられた通りにホストさんに回答しました。
すると、不機嫌そうなホストさんはわたくしより先にダンジョンの中に入っていきました。
「あ、お待ちくださいませ」
わたくしとホストさんは東京ダンジョンの地下階へのショートカットルートを移動し、小部屋にやって来ました。
「オイ、ここに本当にお宝があるんだろうな!?」
ホストさんはなんだかとてもイラついた様子でした……。