69 つよつよミミックのオトリ作戦(エスペランサ視点)
わたくし達はハコザキ様が買った家にお引越しする事になりましたー。
どうやらこのお家はシャンツーさんという女性の方の住んでいた家みたいですわ。
わたくし達はそこに移動する為にホテルのロイヤルスイートルームを出てタクシーで新しい家に向かいましたー。
え? この物置小屋に何のご用なのでしょうか?
どうやらここはハコザキ様が住んでいた家だそうです。
物置小屋に住むなんて、珍しい方もおられるのですね。
ハコザキ達は物置小屋の荷物を新しいお家に全部引っ越し業者に依頼して送るようですわ。
でもせっかくなら全部新しい物で統一した方が楽なのに、なぜわざわざ古い物を使うのでしょうか?
わたくし達はハコザキ様の荷物を全部業者が運んだのを確認した後で新しいお家に戻りました。
このにはボックス様も来られたようですわね。
しかしボックス様、彼はあの箱の中からずっと出てくる気はないようですわ。
ここに引っ越してくる時でも箱の中から出て来ないのですわ。
一体ボックス様ってどのようなお方なのでしょうか?
一度あの箱の中を覗き込んだのですが、ハコザキ様とアルカ様がものすごい勢いで止めようとしましたー。
まあ少し気になった程度ですから、見れないならそれ以外は見ようと思いませんですが。
まあ、皆様この家はそれぞれそこそこな広さの部屋があるみたいで快適に暮らせそうですわね。
ここにはわたくしの部屋も用意していただきましたわ。
引っ越しが終わり、少し落ち着いたところでハコザキ様が出かけるとおっしゃられました。
どうやらわたくしもついて行った方が良いみたいですわね。
そして、ハコザキ様はわたくしにお財布をお渡しくださいましたわ。
どうやりこのお金でホストクラブってとこに行けば良いそうですが、わたくしそのホストクラブって初めてでどんな場所か……。
まあハコザキ様がいうにはこのお金で好きに食べ呑みすれば良いってお話でしたから…そうさせていただきますわね。
わたくしとハコザキ様達はタクシーでホストクラブに向かいましたわ。
お家にはボックス様が残ってお留守番されるようですわね。
そして、わたくしが到着したのはホストクラブゴージャスというお店の前でしたわ。
何とも安っぽいというか見た目だけ豪華に見せたチンピラの店って感じでしたが、ハコザキ様に頼まれたので仕方ありませんわね。
「エスペランサさん、ボクとアルカちゃんは透明化スキルで店の中に入るので、貴女は店の店員をお金を使う事で引き付けておいて欲しいんです。お願いできますか?」
「はい。わたくしはそのお店で食べ飲みをすればよろしいのですわね。でも透明化って?」
わたくしがそう言うと、目の前からいきなりハコザキ様とアルカ様の姿が消えました!
「エスペランサさん。声は聞こえますか?」
「はい、ハコザキ様達は今どちらに?」
「ボク達は目の前にいますよ、ほら」
そう言うとハコザキ様がいきなり姿を現しました!
「どうかな? これがアルカちゃんのスキル。透明化なんだよ、ボク達はこのスキルであの店の中に入り、アイツらの悪事の証拠を奪うんだ」
「悪事って、あの店にいるのは悪い人達なのですか?」
「そうだよ、あそこにいるのは女の人を食い物にするクズばかりだ!」
「わかりましたわ。わたくし達が今やろうとしているのは正義の味方なのですわね!」
なるほど、そう言う事なのですわね。
ハコザキ様達は悪人ばかりのこの店を潰す為にわたくしならこの店のスタッフを釘付けにして欲しいというわけですわね。
「エスペランサさん、お願いしますね」
「はい、わかりましたわハコザキ様」
わたくしはホストクラブゴージャスの中に入りました。
するとこの中にいた安っぽい男達が、わたくしに声をかけてきましたわ。
ですのでわたくし、大きな声で叫びました。
「この店で一番良い男を連れてきてくださいませっ!」