69 つよつよミミックのオトリ作戦(アルカ視点)
アタシ達は昨日行った占いの店にまた行く事になったの。
何よあのハコザキの情けない顔っ!
アイツ、またあのおっぱい女の事考えてデレデレしてるのかしらっ!!
って、何でアタシあんなやつのことでイライラしてるのかしら……?
あーもうなんだかイライラするからお菓子でもやけ食いしてやるっ!
あのおっぱい女がハコザキに何かを手渡したのでアタシ達はこの部屋にまだいれそうみたい。
あのエスペランサのキラキラ光る石の首飾りがお金になったみたい。
まだアタシはこの世界のことよくわからないけど、ここにいれるならかなり快適よね、ベッドはフワフワでふかふか、美味しい食べ物に大きなお風呂もある。
こんな場所に住めるってことではハコザキに感謝ね。
ここでゴロゴロしてたらダンジョンのことなんてどうでも良くなってくるわぁ、ゲームキも楽しいしぃ。
——そう思ってたんだけど、ハコザキが出かけるって言った。
ご主人様は部屋に留守番でテレビってのを見てる。
それでアタシ達は今、ハコザキといっしょに昨日のおっぱい女の店に来たわけ。
あのおっぱい女、何かデンワでハコザキと話をしていたけど、今からどうするのかしら?
そう考えていたら、あのおっぱい女、アタシ達についてこいって行ってどこかに連れて行くみたいね。
アタシ達はあのおっぱい女の後ろについていくと、真っ赤な変な形の車輪のついた大きな箱に乗れと言った、何なのコレ??
しかもコレ動き出したらものすごく速いし! コレって魔法生物か馬車??
ものすごい速さで動く赤い変な箱から降りたアタシ達の前にそそり立っていたのは、とんでもなく大きな建物だった。
あのおっぱい女、アタシ達にここの前で待てと言ってだけど……。
「お待たセ。それじゃア部屋に行くわヨ」
アタシ達はあのおっぱい女に連れられて高い建物の中に入った。
ひょっとしてあのメチャクチャ高い建物の一番上の部屋まで歩いて登るの?? 夕暮れまでかかりそうなんだけど……。
でもこの世界の魔法って凄いわ、アタシ達は魔法の箱であっという間にこのめちゃくちゃ高い建物の最上階に到着した。
「ついたわヨ、さア、中に入ってみテ」
「うわっ! この部屋、ものすごく高いんじゃないんですか?」
ハコザキが驚いている。
アタシ達は一体何のためにここに連れて来られたのぉ?
「あらあらー。このお部屋、わたくしの別荘と同じくらいの広さですわねー」
「あラ、お嬢ちゃン、コレくらいの広さの部屋に住んでいた事あるのかナ?」
「いえ、住むとかではなくー、お母様と旅行した際の別荘がコレくらいの広さだったんですー。住むには少し狭いくらいかとー」
エスペランサの話を聞いたおっぱい女が笑っている。
「アッハハハハハ、アンタどうやら本物の箱入りのお嬢さンみたいだネ。この部屋が狭いかカ、この仕事やってて初めてもらった感想だヨ」
「すみません。この娘、本物の世間知らずなんで……」
「怒ってないヨ、それより、この部屋に決めるノ?」
ハコザキが少し考えた後に答えを出したみたい。
「ハイ、この部屋を買います!」
「よシ。交渉成立ネ。それじゃアこの部屋は正式にアンタの物だヨ」
そう言うとあのおっぱい女、ハコザキに何かの札を手渡したみたい。
「ところで、シャンツーさん。この部屋がこんなに安い理由は?」
「聞きたイ? 後悔しタとカ、やはりやめますっては無シだからネ」
「や。やめときます」
「アッハハハハハ、冗談ヨ。ここは元々ウチの部屋。アナタ達はいいお得意様になると見たかラ、関係を持続しやすいように部屋を提供しただけヨ」
このおっぱい女はやはり信用できないわ!
ハコザキはデレデレしてるし、まったくだらしないわね。
まあ、ここに住めるならアタシも特に問題は無いかなぁ。
でもその前にご主人様をここに連れてこないと……。